「ビッグクラブらしい厚みを築くリバプール、一方のアトレティコはどこまでもアトレティコだった」アウディ・カップ 決勝 リバプール-アトレティコ・マドリー

バイエルン・ミュンヘンの本拠地、アリアンツ・アレーナで行われたプレシーズンマッチ、アウディ・カップの決勝戦。

決勝とは言え、中1日の試合でどちらもサブ主体のメンバーで、リバプールはバイエルンを3-0で破った前の試合から9人を交代、ナポリに2-1で勝利したアトレティコは先発を全員変更するという、完全なテストと呼べる先発起用。

試合のポゼッションはリバプール。アンカーに入ったエムレ・ジャンが上手くボールを散らし、ウッドバーン、マネがサイドから1トップのU-20イングランド代表ソランケにクロスを合わせる形でアトレティコを攻め立て、11分にはウッドバーンのクロスをそらしたボールがギリギリ枠の外に外れる惜しい場面を作る。

しかしアトレティコは、リバプールがサイドでボールを持ったら4-4-2が自陣のファイナルサードまで下がって分厚い壁を作ってスペースを埋め、ニアゾーンを使われてもCBがカバー、その動いたスペースにボランチ、さらにSHと連動する完璧なディアゴナーレで最後のところでシュートを許さない。

すると33分に、アトレティコが珍しくリバプール陣内でボールを回すと、右SBヴルサリコがオフサイドギリギリで飛び出し、サイドチェンジをダイレクトで折り返したクロスをコレアが合わせ、これはリバプールGKウォードが手に当てて何とかコースを変え、ボールはクロスバーに当たって跳ね返ったが、ケイディ・バレに押し込まれ、アトレティコはワンチャンスでゴールを決めてしまう。

後半からリバプールは6人を変更、ヘンダーソン、フィルミーノ、マティプ、ロバートソンらを入れ、ヘンダーソンの縦パスでの組み立てからまたペースを握るのだが、それもすぐに反撃ムードは沈滞、15分からガビ、フィリペ・ルイス、グリーズマンら主力を投入したアトレティコがガビのゲームメイクや前線のコンビネーションプレイでリバプールを脅かす。

が、25分を過ぎるとアトレティコの守備にスペースが生まれ、リバプールがバイタルやサイドで基点を作って本格的に押し込み始めると、36分にオリギが横パスを受けてPA内でキープしたところをタックルで倒されPK。これをフイルミーノ決めてリバプールが同点に追いつく。

試合はそのまま90分で結着が付かず、規定でそのままPK戦へと突入したが、アトレティコの選手が全員成功したのに対し、リバプールは2人目のヘンダーソンが甘いボールを真ん中に蹴ってしまい、GKモジャが足でクリアして失敗。アウディ・カップはアトレティコが優勝を飾った。

リバプールは負けたとは言え、エムレ・ジャンのアンカーは効いていたし、ソランケやウッドバーンも十分戦力として使えそうで、チャンピオンズリーグとの併用に向けて良い材料が得られた試合だったのではないか。ただネイマールを失うバルサがコウチーニョを狙っているらしいが、彼に限っては唯一と言っていいぐらいに前線でクリエイティブ、違いを見せられる選手なので、絶対に手放したくないところだろう。

アトレティコはまあ選手が変わってもやってるサッカーは全く変わらず。柴崎が対戦してもこの守備組織相手に歯が立たないとは思うが、是非ともヘタフェとの試合を早く見てみたいね。