「チェルシーの大黒柱は、実はカンテじゃなくてその後ろの選手なのかもしれない」インターナショナルチャンピオンズ杯 チェルシー-バイエルン

スカパーのJSPORTSで、珍しくサッカーのインターナショナルチャンピオンズ杯をやっているので、昨日行われたチェルシー対バイエルンの試合を見てみた。

昨年はプレミアリーグで首位を独走して優勝を飾ったチェルシー。次の目標であるチャンピオンズリーグ制覇に向けて、常連チームであるバイエルンとのテストマッチは良い力試しではあったのだが、残念ながら前半は一方的な内容になってしまった。

チェルシーはCBのセンターにクリステンセン、3トップがバチュアイ、ウィリアン、ボガというメンバーの3-4-3、バイエルンはレヴァンドフスキの1トップに、2列目がリベリ、ミュラー、新加入のハメス・ロドリゲスという並びの4-2-3-1でスタート。

試合開始直後はチェルシーが押し込んだのだが、その勢いは序盤だけで、その後のチェルシーは前線でなかなかボールをキープできず、中盤はカンテが孤軍奮闘するもセスクは守備に追われてミスも多く、3CBはズルズルと下がってWBの裏がガラ空き、そこをリベリやハメス・ロドリゲスに使われバイエルンのやりたい放題。

前半の6分にケーヒルの甘い対応からラフィーニャにミドルシュートをコースに決められると、12分にはキレキレのリベリが左サイドからクロスを上げると、ファーに回り込んだミュラーがボレーで2点目。さらに26分にもズルズルと下がるチェルシーの守備をあざ笑うかのようにミュラーが豪快なミドルを決めてあっという間に3点目。

何とかチェルシーは前半のロスタイムにアロンソのゴールで1点を返して折り返すと、18分にダビド・ルイス、モラタを投入する。注目は103億円でレアルから移籍したモラタに集まったが、チェルシーを蘇らせたのはダビド・ルイスのほうだった。どちらかと言うとリトリート守備で対応していたクリステンセンに対し、ダビド・ルイスは中盤に上がっての早い潰しでレヴァンドフスキやミュラーに仕事をさせず、ボールを奪うと果敢に攻め上がって攻撃参加。

これで一気にチェルシーの攻撃に縦の勢いが生まれ、ウィリアンやダビド・ルイス、バチュアイが次々と鋭いシュートを放つが得点できず。ようやく後半40分に、セスクの左CKからのボールをモラタが頭で流し、裏でフリーだったバチュアイが押し込んでチェルシーが1点差に追いつくが、反撃もここまで。バイエルンが3-2で勝利となった。

バイエルンは後半に少し息切れはしたが、順調な仕上がり。特にボランチに入った、リヨンから約60億円で獲得したトリッソが効果的なパスを連発して早くも存在感を発揮、ハメス・ロドリゲスも4本放ったシュートは得点にならなかったが、サイドでしっかりチャンスメイカーとして機能していた。ただし移籍が噂されるレナト・サンチェスはあまり目立てず、やはり放出は濃厚のようである。

チェルシーは、中国でのプレシーズンマッチではほぼベストメンバーでアーセナルに3-0で勝ったものの、サブ主体のメンバーではバイエルンに歯が立たず、チャンピオンズリーグもこなす必要がある今シーズンに向けて、選手層の薄さを露呈する格好になってしまった。いろいろな国のチームと対戦するCLは戦術的な多様性も必要で、まだまだコンテ監督には課題が山積みである。