「ゴールキーパーの共演となった120分の後に、まさかの結末が待っていた」FIFAコンフェデレーションズカップ2017 準決勝 ポルトガル-チリ

クリスティアーノ・ロナウドとアレクシス・サンチェスという、ワールドクラスのアタッカーを揃えた両チームだけに、ポルトガル対チリの準決勝は点の取り合いになるかと思われたのだが、蓋を開けてみればまさかの120分間ノーゴール、PK戦での結末になった。

ポルトガルは4-4-2で、チリは中盤ダイアモンドの4-3-1-2でフォーメーションは変わらず。ポルトガルはボールを奪ったらとにかくクリロナにボールを集め、チリはビダルが下がって組み立てに関与し、サイドチェンジでポルトガルの4-4ゾーンを揺さぶってプレスを分散させる狙い。

試合は序盤からサンチェスのスルーパスからバルガス、クリスティアーノ・ロナウドのクロスをアンドレ・シウヴァが合わせるなど互いに決定機を作る激しい立ち上がりだが、チリのほうがやや守備の集散が速くサイドで基点を作ってチャンスを作るが、アランギスがフリーのシュートを打ちそこね、ビダルがクロスに競り勝ちながらもヘッドを枠に飛ばせず、バルガスのオーバーヘッドもポルトガルGKルイ・パトリシオのナイスセーブで得点できず。

後半15分頃からはチリのプレッシャーが落ち始め、ポルトガルが良い形でカウンターを仕掛けられるようになり、クリロナが両サイドと頭で3本の決定的なシュートを放つが、チリGKブラボの好セーブなどでこちらも点が決まらない。逆に延長戦はチリのほうが優勢で、アレクシス・サンチェスやビダルが決定的なシュートを放つが、クロスバーに2度当たってノーゴールになったり、PKを取ってもおかしくない場面もあったが、結局120分間でゴールは決まらずPK戦へ。

しかしここで誰もが予測できなかった大波乱。チリが3人ともPKを成功させたのに対し、ポルトガルはクアレズマ、ジョアン・モウティーニョ、ナニが3連続でチリGKブラボにセーブされ、何と3-0という見たことがない結果で決着。ポルトガルの5人目はクリスティアーノ・ロナウドだったが、結局まさかの出番なし。ポルトガルにとっても何とも悔やまれるPK戦の戦略ミスであった。

これでコンフェデ決勝のカードは、このチリとメキシコを4-1で破ったドイツとの対戦になった。ほぼメンバー固定のチリと、ターンオーバーもこなしながら圧倒的な強さを見せるドイツでは、どちらが優位かは明らかではあるが、この試合で見せたGKブラボの神がかりなセーブがあればチリにも勝機が出て来るかもしれないね。