「アジア予選との落差に若干落ち込んでしまう好ゲーム」FIFAコンフェデレーションズカップ2017 グループA ポルトガル-メキシコ

2戦目にしてまだ決勝トーナメント進出のチームが決定していない、激戦になっているコンフェデレーションズカップ。まだ見ていないチーム同士の試合にしようと思って、1戦目になるけどポルトガル対メキシコを昨日は見てみた。

まあ、当然ながらW杯開催予定のスタジアムのピッチは素晴らしいし、ロシアは夏でも涼しいので、こないだのテヘランと比べるのは愚問だとは思うんだけど、アジア予選との試合内容の格差にはちょっと落ち込んでしまったよね(苦笑)。

ポルトガルのフォーメーションは、クリスティアーノ・ロナウドが2トップの一角に入った4-4-2で、メキシコのフォーメーションは4-3-3。とは言え、メキシコはアンカーのエレーラが流動的にCBの間に入り、SBがWBのように高い位置取りをする実質3-1-4-2のような形で、ポルトガルの4-4ゾーンの外側から攻め、ゲーゲンプレスで奪い返すモダンな戦術を駆使している。

しかしポルトガルのクリロナを中心としたカウンターは破壊力抜群で、20分にはメキシコの攻撃にも慣れてカウンターからサイド攻撃で盛り返すと、FKの流れからクリロナの強烈なシュートがクロスバーに当たり、ナニがこぼれ球を決めるが、コンフェデで採用されたビデオ・アシスタント・レフェリーの判定でオフサイド。

さらにポルトガルの攻勢は続き、34分にはロナウドがサイドチェンジから左サイドを抜け出すと、ゴール前でドリブルが詰まって3人に囲まれるが冷静に横パス、飛び込んで来たクアレスマがワントラップでGK交わす技アリのゴールでポルトガルが先制する。

が、メキシコもすぐさま反撃、前半42分に左からクロスがゲレイロのクリアミスを誘い、拾って折り返したボールをメキシコのエース、ハビエル・エルナンデスが鋭く反応して頭で押し込み、メキシコが前半のうちに同点に追いつく。

後半立ち上がりもメキシコが勢いを持って入ったが、ポルトガルも前半よりはDFがライン高く、メキシコのサイドチェンジにもSHも下がって対応してスペースを埋め、試合は一進一退の攻防に。そして30分頃からメキシコの運動量が落ちてポルトガルが中盤でパスを回せるようになると、互いにカウンターからシュートまで持ち込むオープンな展開になる。

ポルトガルは後半39分、交代で入ったアンドレ・シウバがゴール目前のヘディングをセーブされて超決定機をフイにしてしまうが、その直後にマルティンスのクロスをメキシコのDFが足に当てるも、こぼれ球をSBセドリックが拾ってゴール、ポルトガルが終盤に勝ち越し点を決める。が、ロスタイムにCKからモレノが競り勝ち、土壇場でメキシコが同点に追いつき試合終了。

ザックジャパン時代のコンフェデで日本が勘違いしてしまったように、相手をあまり研究せず自分たちの良さを出し合う親善試合のコンフェデは、本番とは全く違うレベルの試合だと思ってはいても、サイドチェンジや中盤の縦パスをビシビシ決めてスムースなトラップで流れるように攻撃する両チームを見ていると、やはり日本のこういう試合を見たかったなと思ってしまう。8月の最終予選では、是非ともこんな攻撃が出来るようなチームになってて欲しいものだ。