「どんどん効果的なポジションから遠ざけられてしまった柴崎」スペイン・リーガエスパニョーラ 昇格プレーオフ準決勝 第1レグ カディス-テネリフェ

スペインリーグ1部昇格をかけたプレーオフの準決勝第1戦。4位のテネリフェは5位カディスとのアウェイ戦だったが、結果は残念ながら0-1の敗戦、第2戦のホームで逆転を目指す事になった。

昨日の深夜に行われた試合で既にニュースで結果は知っており、柴崎がボランチで先発して負けたと聞いた時には、やはりアウェイで柴崎の守備力を当てにするのは間違いだよな、と思ったのだが、試合を実際に見てみると想像よりは良いプレイをしていたのが意外だった。

今まで1トップで先発していたロサノが怪我の影響でサブに回り、この試合はアマトが1トップに入っていたのだが、ことごとく相手のマークに負けて全く前線の基点になれず、他の選手もカディスの激しいプレスにタジタジで、適当なロングボールやつまらないキープミス、パスミスでボールを奪われるなど、テネリフェは試合をほとんどコントロール出来ていなかったのだが、そんな中でも柴崎だけは冷静だった。

ボールが来る回数こそ少なかったが、前を向けば確実に味方へとパスは通すし、相手のプレスの中でもスペースを見つけ出して3人目の動きをして見せるなど、チームメイトとは別の次元でプレイしていたように見えたし、守備でも確かにデュエルで勝つことは少ないものの、ゾーンを守ってパスコースを消しつつ時折タックルに行ったりと、少なくとも変に突っ込んで交わされたり、動きすぎてゾーンに穴を空けたりする事はなく、あまり見ていてヒヤヒヤするような場面は多くなかった。

と思っていたら、守備力に不満があるのか、アマトがあまりにも孤立するから柴崎にフォローさせようとしたのか分からないが、途中から何故か柴崎がトップ下に回され、せっかくボランチでまずまず良い感じだったのに、トップのアマトが相変わらずポンコツで、さらに柴崎はボールに触れなくなってしまう。

それでも後半7分にセンターからサイドに流れて、ニアゾーンに走り込んだアマトへシュートに繋がるスルーパスを出したと思ったら、ロサノが交代で入って柴崎は左SHにポジションチェンジ。さらに21分にアルベルトが入ってからは右SHへ移ったのだが、左には比較的スペースがあったのに、右は相手のSBがガッチリ柴崎をマークしてさらにさらにボールから遠ざけられる柴崎。

後半途中から試合が荒れて選手がそこら中でコロコロ倒れる展開の中、終盤にはテネリフェが初めて攻勢に出て、柴崎も右からゴール前に切れ込んでチャンスは作ったが、カディスは後半18分に決まったアケチェのロングシュートによる1点を守り切って試合終了。

やられっぱなしの試合だった割には、アウェイで0-1というのは最低限の結果であり、まだホームで逆転できるチャンスは残されている。ホームならここまでラインを下げる事も無いだろうし、ロサノも先発に復帰するだろうから、今度はスカッとする内容と結果を出してくれる事に期待したい。