「グリーズマンやポグバがパッとしなかったのは、久保や原口の不発と根っこは同じ」ロシアW杯欧州予選 グループA スウェーデン-フランス

昨日はさすがにイラク戦の低調な内容と結果にガックリ来てしまった1日だったけど、欧州予選で選手の質・量ともに世界トップクラスのフランスが、アウェーでのスウェーデン戦に負けた試合を見ると、このフランスよりはまだ悲惨度ではマシだよなと自分を慰める事が出来た(笑)。

フランスのフォーメーションは4-2-3-1で、1トップにジルー、2列目がマテュイディ、グリーズマン、パイェの3人で、ボランチにポグバとシソコの先発メンバー。スウェーデンは4-4-2でともに守備時には3ラインのゾーン・ディフェンスで守る格好。

試合は比較的静かな立ち上がりで、フランスがボールは支配するけどもなかなかPAの中まで入り込めず、34分になってようやくメンディのクロスからジルーが中央でヘディングするも、ボールが上手く当たらず枠外。しかしジルーは、その3分後にPA左側でボールを受けると、ワントラップしてからアウトにかける強烈なボレーを叩き込み、アウェーのフランスが先制点をゲットする。

やはりスウェーデンとは力の差があるなと思ったのだが、フランスがペースを落とすと同時にスウェーデンが盛り返し、42分にはカウンターから右サイドのクロスに対し、メンディが競ったがボールはファーへ抜けてしまい、フリーでいたドゥルマズがダイレクトで流し込んでスウェーデンが同点に追いつく。

後半はフランスが再び主導権を握り、前半は攻撃では目立たなかったシッソコやポグバが前線に出て来るようになり、7分には右サイドからシッソコのクロスをグリーズマンがフリーでヘディングするもGK正面、9分にはポグバが右サイドからの折り返しをダイレクトで叩くも、わずかにポストから逸れる。その後もフランスはCKやクロスの雨を浴びせるが、スウェーデンも何とか跳ね返してスコアは動かず。

終盤になって、フランスもペースを落としてこのままドローで手打ちなムードが流れていたロスタイムに、フランスGKロリスがPAから飛び出してボールをクリアしたのはいいが、それがスウェーデンのトイヴォネンへのパスになってしまい、トイヴォネンはそのままロングシュートを蹴るとボールはフランスゴールに飛び込み劇的過ぎる勝ち越しゴール、そして試合終了。これでスウェーデンはフランスと勝ち点13で並び、得失点差で首位に立つ事になった。

吉田どころではないロリスのド派手なやらかしに全部持って行かれた試合ではあったが、フランスではジルーやパイェが存在感を見せていたのに対し、超主力のグリーズマンとポグバに本来の運動量が無く、試合から消えていたのが地味に響いた事は間違いない。

それはおそらく、グリーズマンとポグバがほぼフルシーズンを先発で戦って来たのに対し、ジルーやパイェは試合に出られなかった期間がある事が関係しているのではないかと思っている。日本のイラク戦でも本田と大迫はそれなりに動けていたが、フルシーズン働いた久保、原口、酒井宏樹は厳しい出来になったのも同じだろう。そう考えると、岡崎を起用しても良かったのではないか。

1年間の激しい戦いを終えた欧州組が、シーズンを終わった後の代表戦で立て直しをしようとすると、かなりの苦戦を強いられる。そういう教訓を改めて思い知らさせれるこの1週間だった。