2016-2017シーズン海外組通信簿(オランダ、ベルギー、オーストリア、フランス編)

昨日はACLで浦和が逆転勝ち、さらに乱闘といろんな意味で盛り上がった1日だったようですが、こちらは諸処の都合でケーブルテレビを今月いっぱいで解約したため、ACLの放送が見られず仕方なくジロ・デ・イタリアをまとめ見しておりました・・・なので、通信簿の続き。

前回フランス編を書いてたのに、酒井宏樹の事をすっかり忘れてたので(笑)、今回はイングランド、イタリア、フランス編。

イングランド・プレミアリーグ

岡崎慎司 6

奇跡のプレミアリーグ優勝を果たした栄光から間もなく、文字通り中盤の大黒柱だったカンテが抜けてチームの再構築を強いられ、”ティンカーマン”ラニエリが本性を発揮、毎試合FWをとっかえひっかえして試行錯誤を繰り返し、そのあおりで岡崎はすっかり先発から遠ざかり、いよいよ2部降格が視野に入って来たところで監督解任。コーチから昇格したシェイクスピア新監督は「原点回帰」でヴァーディと岡崎の2トップに固定すると、チームはそれまでの低迷がウソのように復活、後半戦だけなら首位争いの勝ち点を稼ぐ快進撃できっちり残留を果たして見せた。

ただ岡崎自身としては、カンテの穴をカバーする役割で守備負担が大きくなり、今期はリーグでわずか3得点とFWとしては不満が残るシーズンになってしまった。代表でも大迫の2番手に序列が下がり、来期はいろいろ正念場である。

吉田麻也 6.5

ファン・ダイクとフォンテという不動のレギュラーに阻まれ、CBの3番手としてベンチを温める事が多かったシーズン前半だったが、フォンテが移籍してレギュラーに抜擢されると、それまでのやらかし癖が影を潜めて安定したプレイを見せるようになり、ファン・ダイクが怪我で抜けてからは守備のリーダーへと昇格、コンビを組んだ若手のスティーブンスにも指導力を発揮、終盤にはチームキャプテンを任される時もあるなど、一気に下克上を果たして見せた。

ただしチームは深刻な得点力不足に悩まされ、サウサンプトンはリーグの上位で最も低い得点数と、吉田をFWに置いたほうが点を取れるんじゃないかと思うぐらい、見ていてフラストレーションが溜まる試合が多かったので、来期はスカッと勝って喜ぶ吉田の姿を見たいものだ。

イタリア・セリエA

本田圭佑 4

新しく就任したモンテッラ監督が4-3-3のフォーメーションを敷いたため、右ウイングには単独で突破が出来るスソがファーストチョイスになり、出番があっても後半35分過ぎの時間稼ぎ要員に過ぎず、本田は事実上の構想外になってしまった。今シーズンでミランを離れることは既定路線で、ホーム最終戦では珍しく後半の早い時間に出場、直接FKを決めたのが最後を飾る花火となった。

とは言え、試合を離れていてもコンディションは落ちていない様子で、まだまだ第一線で働けるだけの力は持っている。スペインやプレミアからのオファーがあると噂されているが、是非とも新天地でもう一度復活してもらいたい。

長友佑都 4.5

オーナーが変わってクラブの方針が迷走、開幕前にマンチーニが辞任、その後はフランク・デ・ブール、ピオリ、ヴェッキと監督をすげ替えてはみたが、結局は低迷を脱せずヨーロッパリーグにも届かない7位でシーズン終了。

これまでの長友は、監督が変わると必ずサブに回されるが最終的にはスタメン復帰という不死鳥ぶりを見せていたのだが、SBに高さを求める最近の戦術トレンドの影響もあり、今期に関しては最後まで満足な出番が得られず、34節のナポリ戦で決勝点を与える致命的なミスを犯し、スケープゴートとなってしまった。契約は2019年まで残っているが、インテルでの茨の道は続きそうである。

フランス・リーグアン

酒井宏樹 6.5

昨シーズンはハノーファーで降格を食らってしまい、新天地に選んだのは名門マルセイユ。最近は低迷しているとは言え、プライドの高いサポーターを酒井が満足させられるとは思えず、果たして出場機会はあるのかと心配したのだが、予想通りゾーン・ディフェンスに不慣れな欠点を暴露、1対1の間合いがつかめず度々失点に繋がる突破を許したものの、クラブが主力を気前よく放出してしまったおかげで、右SBの本職が酒井のみという幸運もあって先発から外される事は無かった。

そうこうしている内にガルシア監督の粘り強い指導もあって守備の不安は少なくなり、フランス期待の若手である右SHトヴァンの信頼をガッチリ掴み、名実ともにマルセイユのレギュラーとして恥じない選手に成長した。ゴミスがなかなか決めてくれなかった事もあるが、クロスのアシスト数はやや物足りず攻撃面で課題は残すものの、チームも来期はヨーロッパリーグ出場が決まり、さらなる飛躍が期待される。