2016-2017シーズン海外組通信簿(オランダ、ベルギー、オーストリア、フランス編)

欧州の主要リーグがほぼ終了に近づいて来たので、忘れないうちに恒例の海外組通信簿をスタートします。まずはオランダ、ベルギー、オーストリア、フランス編。

オランダ・エールディビジ

小林祐希 6

初めてハリルジャパンに呼ばれた時には、ポジション無視の勝手プレイで、これじゃゾーン・ディフェンスの習得が必須の欧州に移籍しても相当苦労するんじゃないかと思ったら、インサイドハーフやアンカーであっさり適応、第6節からスタメンとして定着、意外な守備適性を発揮した。残念ながらチームはヨーロッパリーグ出場権をかけたプレーオフでユトレヒトに敗れ、シーズン終了。
ハリルホジッチがボランチにボールを奪う能力を求めているので今は招集されていないが、長谷部の後継候補の1番手として期待している。

ハーフナー・マイク 5.5

シーズン初戦で2ゴールに華々しいスタートを切るも、その後は不調に陥ってゴールから遠ざかり、冬には怪我と病気でチームを長期離脱と散々な前半戦になったが、3月に復帰後初ゴールを決めると、その後は出場した試合でコンスタントに得点を重ね、二桁まで後一歩の9ゴールを記録、チームも1部残留して何とか帳尻を合わせた格好になった。
チームとの契約はあと1年になっており、日本代表への復活という意味でも、今年の夏には上位チームへの移籍が望まれる。

オーストリア・ブンデスリーガ

南野拓実 6

守備力や運動量を求める監督の方針もあって、試合に出たり出なかったりという扱いなのに、試合に出れば70分に1ゴールという極めて高い得点率を発揮、ザルツブルクのリーグ独走優勝に貢献、今期も当然のようにチャンピオンズリーグ出場権を獲得。
得点能力ではエースを張ってもおかしくないのにレギュラー未満に甘んじている状況を考えると、一刻も早い移籍が望まれるところ。契約は1年の延長オプション付きの2018年までと、時期的には今夏がベストのタイミングなはずだが、あまりオファーの噂が聞こえてこないのが謎である。

ベルギー・ジュピラー・プロリーグ

久保裕也 7.5

スイスのヤングボーイズ所属時代は、エースの怪我により念願だったリオ五輪出場が叶わず、悔しい思いをシャフタール・ドネツク戦で2ゴールという形でぶつけてチームをヨーロッパリーグへと引き上げる活躍を見せ、冬にはクラブ最高額の移籍金でゲントに移籍、そこでも得点を重ねてチャンピオンズリーグ出場は叶わなかったが、プレーオフでヨーロッパリーグ本戦からの出場権をゲット、チームの救世主として大活躍した。
ゲントの攻撃陣はゴリゴリのドリブラーばかりで、久保に良いボールが回る機会は少ないのに、それでも得点を重ねられる両足シュートの正確性、決定力には目を見張るものがあり、長らく日本に欠けていた真のゴールゲッターとして、ハリルホジッチの信頼は極めて厚い。プレミアに昇格したブライトンが獲得を狙っているなど、今後のニュースにも目が離せない。

フランス・リーグアン

川島永嗣 6.5

ベルギーのスタンダール・リエージュを退団後はずっと所属チームが決まらず、スコットランドのダンディー・ユナイテッドに移籍するも降格の憂き目に遭い、フランスのメスではほぼ出場の芽が無い第3GKという立場で契約、世間からはモラトリアムだとか日本に帰れとか散々な扱いを受けていたが、最終予選の大一番UAE戦でハリルホジッチが驚きのスタメンに抜擢、勝利を導く活躍を見せた事で運命が大きく変わった。
チームに戻った後、正GKの不調もあってスタメンに抜擢されると堅実なプレイを見せてチームの失点率を減少させ、1部残留に貢献する活躍を見せ、来期は正GKとして契約を延長する噂が出るぐらいの下克上を果たした。代表でも一時はプレイにミスが多く、既に終わった選手と見られてしまっていたが、実は川島の全盛期はこれからなのかもしれない。