「なんちゃってゾーン・ディフェンスにインテンシティの低さ」U-20ワールドカップ グループD 日本-南アフリカ

昨日は珍しくリアルタイムで試合を見る時間が取れたので、昨日のうちにまず試合の印象をアップして、その後の夜にじっくり日本の戦術面を見直してみた。

日本のフォーメーションは4-4-2の3ラインゾーン・ディフェンスなんだけど、単にラインを揃えてコンパクトなゾーンを作るだけで、そこからの連動性が無い、いわゆる「なんちゃってゾーン・ディフェンス」だったかなと。

前半7分の失点場面は、初瀬がラインを上げられなくてオフサイドを取り損ねたのが直接の原因ではあるが、やはり誰がアタックに行って誰が空いたスペースをカバー、誰が裏抜けに付いて行くのかという連携が出来ていない事がそもそもの問題である。

特に前半の日本は酷くて、板倉が突っ込んであっさり交わされ、板倉が動いた後のスペースを誰も埋めて無くてそのまま使われる、相手がサイドの高い位置でボールを持ってもSBの寄せが遅く、寄せたと思ってもCBの間にスペースが出来たまま放置状態。本来はそういう部分を埋めるのが坂井の役割なはずだが・・・ウルグアイやイタリアは、こんなスカスカのバイタルやニアゾーンを見逃してくれないだろう。

後半になると、ちょっとはマシになって等間隔に並んでいるだけだったDFが人をきちんと見るようになりはしたが、中盤の4人が単独でアタックしているだけなので簡単にキープされ、アタックも足先で体が入ってないのでボールを取り切れない。FWの2人も相手のDFがボールを持ったらプレスに行こうとするんだけど、後ろが付いて来ないので1回の追い込みで終わってしまい意味がない。岩崎は中盤でフィルターがかからないためプレスバックに良く戻っていたけど、レスターの岡崎と同様にもっと前で追い込みをさせるべきである。

攻撃も、堂安が相手に常時マークされてた上に中へ最初から入りすぎ、右サイドの攻撃が全く機能していなかった。ホンジュラス戦でも市丸が入るまでは同じような感じだったので、大会中の修正は難しいかもしれない。その分、左サイドの三好は頑張っていたけど、時折パススピードが遅かったり、無駄にキープしてみたりとまだまだJ仕様のプレイが多かったかなと。あと右足がもうちょっと使えたらねえ・・・

さて次節は初戦でイタリアを破ったウルグアイが相手。最終節のイタリア戦での勝負になる前に、ここで決勝トーナメント進出を決めてしまいたいところだが、中2日という過密日程を考えるとターンオーバーは必須。初戦で経験を積み、硬さが抜けたスタメン組と、奮起が期待されるサブ組をどう組み合わせるのか、ここからが本当に監督の手腕が問われるところだ。