「多くのチャンスには絡んでも、得点やアシストという結果に繋がらない柴崎の課題」スペイン・リーガ・エスパニョーラ2部 第37節 テネリフェ-ルーゴ

ここ4試合勝ち星が無く、順位を3位から6位に落としてプレーオフ圏が怪しくなって来たテネリフェ。3試合ぶりのホーム戦とあって絶対に落とせないルーゴ戦は、前節から続いて柴崎が先発メンバーに名を連ねた。

テネリフェのフォーメーションは4-2-3-1で、柴崎は前節の後半からポジションチェンジをしてボールに良く絡めていた左SHでスタート。前2試合のアウェイとは全く違って、最初からテネリフェはパスがよく周り、柴崎も高い位置でプレイできている。

前半の4分には早速PA内でクロスを送ると、9分には柴崎のFKからヘディングシュートも枠の外と序盤からチャンスを演出するが、まだ味方との意識や呼吸が微妙にずれている様子で、柴崎も自分のプレイイメージにこだわり過ぎているのか、パスが相手に引っかかるシーンも多い。

25分を過ぎると相手の守備が柴崎を警戒し始め、SBが常時マークをしながらボランチが柴崎へのパスコースを遮断するポジションを取り始めると、柴崎もなかなかボールを触れなくなりテネリフェの攻撃リズムが停滞する。が、32分に柴崎が中へ入ってマークを引き連れたスペースにSBカミーユがオーバーラップ、サイドチェンジからクロスを上げると、ゴール前に飛び込んだサンスの頭にピタリと合ってテネリフェが先制点をゲットする。

さらに35分には相手CKからのクリアを柴崎がワンタッチで上手くカウンターに繋げ、DFライン裏へ抜け出すが最後のシュートタイミングが合わずに追加点は得られなかったが、前半はテネリフェのペースで試合を折り返す。

ところが後半の2分に、相手のサイドチェンジから頭での折り返しをホルヘがオウンゴールしてしまい、ルーゴが思わぬ形で同点に。その後もホルヘはミスを引きずってかプレイが不安定なままで、テネリフェも中盤のデュエルでフィジカル負けをする事が多く、後半12分にはホルヘのミスパスからCKを与えると、ニアで決定的なボレーを打たれてしまうがGKダニ・エルナンデスのナイスセーブで命拾い。

後半20分ぐらいになるとようやくルーゴの勢いが落ち始め、また柴崎も存在感を発揮するようになり、23分には高い位置でボールを奪って柴崎のスルーパスは相手GKの飛び出しでギリギリクリアされ、30分には右からの速いクロスを柴崎がPAに走って受けるもトラップが流れてシュートを打てず、その直後にも柴崎がDFライン裏へ浮き球パスを送ってロサノが受け切れずと、柴崎が多くのチャンスに絡むが得点には繋がらない。

ようやく後半35分、またカミーユの攻撃参加からPA内でクロスを受けたアーロンがシュートを打つと、こぼれ球がちょうどロサノの前に転がるラッキーでテネリフェが追加点を決め、ルーゴの激しい当たりにテネリフェは最後まで苦しめられたが、何とかそのまま逃げ切って2-0で終了、5位のウエスカがジローナに敗れたため、テネリフェは4位のカディスと同勝ち点の5位へと浮上した。

柴崎は前節の後半に引き続いて、パスワークの中心としてフル出場、チームの勝利には確かに貢献したが、得点やアシストという目に見える結果は出せなかった。味方とのコンビネーション不足もあるが、柴崎自身も、パススピードや判断、走りの質というスペインリーグの高いインテンシティに追いつけていない面があるように思う。残り5試合とプレーオフで、どれだけ変貌してくれるのか楽しみである。