「蔚山GKキム・ヨンデが、鹿島にまさかのトリプル逆アシスト」アジア・チャンピオンズリーグ グループE 蔚山現代-鹿島アントラーズ

現在グループ2位と順調ではあるが、この試合に負けると勝ち点1差の3位に転落してしまう難しいアウェイでの蔚山戦だったが、結果は4-0と意外にも鹿島が大勝、裏の試合でムアントンがブリスベンに勝利したため、最終節を待たずして決勝トーナメント進出を決めた。

鹿島のフォーメーションはいつも通りの4-4-2で、蔚山は4-3-3という形。で、試合はもちろん負けるとグループリーグ敗退が決まってしまう蔚山が最初から激しいプレスを仕掛け、鹿島も何とかロングボールを金崎とペドロ・ジュニオールの2トップに当てるのだが、多勢に無勢でなかなかボールをキープできず、蔚山に連続攻撃を浴びてしまう。

蔚山の攻撃は、ボールを奪うと素早くサイドへ展開、ウイングのオルシッチとキム・インソンが飛び出すか、彼らが高い位置で基点を作ってSBやインサイドハーフの選手がインナーラップでニアゾーンへ飛び出すという狙いで、鹿島はボランチの永木とレオ・シルバが何とかインナーラップに食いつくのだが、相手の速さが勝ってピンチを作られる。

こんなハイペースは90分間続かないだろうから、何とか鹿島の前半は耐えるしか無いなと思っていたのだが、意外にも20分頃から蔚山のプレススピードが落ち始め、鹿島が中盤でボールを持てるようになる。35分過ぎには、永木のミドルシュートやセットプレイからの昌子、山本のヘディングと鹿島が何度かチャンスを作る。

そして後半7分、相手のミスから鹿島がボールをDFの裏へ出すと、土居のシュートは蔚山GKキム・ヨンデがかろうじて弾くものの、詰めていた金崎が難なく押し込み鹿島が先制。さらに2分後にはイ・キジェの苦し紛れの横パスを拾ったペドロ・ジュニオールがそのまま持ち込んでシュート、コースは甘かったが何故かキム・ヨンデは反応できず2点目が決まる。

そこからは蔚山も捨て身の攻撃を仕掛けて来るが、鹿島GKクォン・スンテを中心にしっかり対処すると、後半22分にバックパスをキム・ヨンデがクリアミス、詰めた金崎がイージーボールを押し込み、鹿島が全て相手のミスから3点をゲット。キム・ヨンデはW杯で出場経験のある元韓国代表GKなのだが、この試合は何故か素人のようなミスを連発して3失点に絡み、1人で試合を壊してしまった。

鹿島は鈴木、レアンドロを逐次投入しつつ、相手のパワープレイ気味の攻撃を凌ぐと、45分に左サイドで繋いだパスから最後はレオ・シルバがクロスバーに当たって入る強烈なミドルシュートでダメ押しの4点目。ロスタイムに蔚山に絶好の位置でFKを与えてしまったがシュートはわずかに枠の外。このまま鹿島が4-0で敵地での勝利を飾った。

ACLで韓国のチームには何度も煮え湯を飲まされた事を考えると、何が起こったかというぐらいの自滅ではあったが、復活した「元」ナショナルダービーで磐田に痛い負けを喫した鹿島としては、自信を取り戻す大きなきっかけになったのはないだろうか。最終戦のムアントン戦できっちり勝って、首位で決勝トーナメントへ進出してもらいたいね。