「自分たちのサッカーをやりきるしか手が無いバルサの弱みを、アッレグリ監督が読み切った快勝」UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝 第1レグ ユベントス-バルセロナ

昨日は香川がゴールを決めたドルトムントの試合を見ようと思っていたのに、何故か自宅のHDRには録画がされておらず・・・確かレスターの試合と一緒に録画したはずなのに、機械のエラーメッセージも無くて純粋に撮ってなかったらしい。どうも釈然としないが、仕方ないので前日に録画しておいた、ユベントスとバルサの試合を観戦。

守備陣に怪我人が続出しているバルサは、フォーメーションこそいつもの4-3-3ではあるが、アンカーにはブスケツの代わりにマスチェラーノが上がり、CBはピケとユムティティ、左SBはマテューという苦肉のスタメンにして来た。それに対してユベントスは、お家芸の3バックではなくて4-2-3-1という、ユーベにとって比較的新しい形のフォーメーションを取って来た。

そのアッレグリ監督の狙いはすぐ効果を表した。1トップのイグアイン、トップ下のディバラ、ウイングのマンジュキッチとクアドラードの4人がバルサのDFラインへ1対1でプレスを仕掛け、アンカーのマスチェラーノにはボランチがマークに入り、バルサのビルドアップを破壊しに来た。そしてバルサがその圧力に慌てていた前半7分に、左サイドでクアドラードのパスをピタリとトラップしたディバラが、バルサの一瞬のスキを突いて振り向きざまのシュートをゴール左隅に決めてしまう。

ユーベはバルサが前を向いてボールを持つと、ピッチの10人がすぐさま撤退して4-4-2のコンパクトなゾーンを作って待ち構え、バルサが得意なサイドのコンビネーションも、本来はセンターフォワードであるマンジュキッチがSBの位置まで下がってカバー、そこにイグアインやディバラまでがサイドに動いてスペースを埋めるという、徹底した連動守備でバルサに自陣でのパスワークを許さない。

それでも、バルサは狭いスペースでも難なく打開出来るメッシやネイマールのキープで攻め込んではセカンドボールを拾い、21分にはイニエスタが絶妙なタイミングで抜け出すもブッフォンが素早く詰めて左手1本でセーブ、ユーベは何とか同点の危機を逃れる。するとその直後に、カウンターからマンジュキッチが右サイドを突破、マイナスの折り返しをディバラがコースへ合わせ、ユーベが電光石火の追加点を挙げる。

この場面、確かにディバラのシュートコースはギリギリだったが、バルサGKテア・シュテーゲンがニアを抜かれてしまったのは、直前にイニエスタのシュートに対するブッフォンの見事な対応を見ているだけに、残酷なまでにクォリティの差を見せつけられる格好になってしまったね。

後半になるとバルサは3-4-3にフォーメーションを変え、さらに監督から指示が出たのだろうが、ユーベの守備が戻り切る前に攻めようという狙いなのだろう、それまではじっくりとパスを回す事が多かったバルサの攻撃が、とにかくボールを持ったら早く前に送る展開が多くなり、メッシとネイマールの惜しいシュートはあったがどうもバルサにしては性急な感が否めないなと思っていたら、10分にCKからキエッリーニがマスチェラーノのマークを受けながらもヘディングを決めてユーベが3-0にリードを広げる。

これでバルサも開き直ったのか、それまでの忙しい攻撃が無くなり、ユーベ陣内でパスを回して回して攻めるリズムを取り戻し、メッシやスアレスの決定的なシュートなどそこからユーベの1本に対して7本のシュートを浴びせ倒すが、どうしてもこの試合ではゴールを決められない。ユーベは4-1-4-1、5-4-1と徐々にフォーメーションを守備的に移行させながら最後まで無失点で守りきり、試合は3-0で終了した。

バルサはPSGとのアウェイ戦で0-4と大敗した後、ホームで6-1の大逆転劇を演じたが、今度はブッフォンが相手だけに3点差の逆転がかなり厳しいのは間違いない。守備陣の戦力的に自分たちのサッカーをやってしまうと危険な状態でありながら、それでも自分たちのサッカーを強行せざるを得ないバルサの現実と、次の第2レグでどう折り合いを付けられるのかが焦点になって来そうである。