「代表じゃなくてHSVでなら、酒井高徳も長谷部に見えるんだけど」ドイツ・ブンデスリーガ第28節 ハンブルガーSV-ホッフェンハイム

今朝に行われる予定だったドルトムント対モナコのチャンピオンズリーグ準々決勝が、何者かによるチームバス爆破事件によって翌日に延期となるショックな出来事があって、気分は暗鬱とした状態だけどひとまず昨晩見た試合について。

そのドルトムントを勝ち点1差で抑えてチャンピオンズリーグ本戦出場権の3位をキープしている好調ホッフェンハイムを、前節はドルトムントに負けたものの、1ヶ月間は負け無しで14位まで浮上して来たHSVがホームで迎え撃った一戦。

3-1-4-2のフォーメーションを取るホッフェンハイムに対して、HSVは4-4-2という形。ホッフェンハイムの4-2の攻撃陣に対して、HSVはCBとSB、ダブルボランチをマッチアップで合わせて前線で基点を作らせない。酒井高徳は相手のインサイドハーフを見ながらWBのオーバーラップにも追いかけて対応するなど守備範囲の広さが目立ち、攻撃参加は数少ないがミドルを打つなど攻守に積極的な姿勢を見せる。

すると25分に、PAすぐ右でゲットしたFKを、HSVのハントが壁を巻いてファーサイドに飛び込むゴールを決めてホームのHSVが先制する。が、33分にはカウンターからのサイドチェンジを受けたビチャクチッチがフェイントで交わすと、オストルツォレクがたまらず足を引っ掛けてしまいPK。これをクラマリッチがきっちり決めてホッフェンハイムが同点に追いつく。

後半になると、前半は前線をマークで封じられたホッフェンハイムが、右WBのビチャクチッチを高い位置に張らせ、サイドに基点を作ってHSVを揺さぶるようになる。後半3分に右サイドのヒュブナーからワグナーにスルーパスが通り、HSVのGKマテニアと交錯したボールがゴールへ転がり、そこにたまたま倒れていたディークマイヤーに当たって止まるという危ないシーンを作られてしまう。

しかしHSVはホッフェンハイムの強力なサイドアタックを何とか耐えると、逆に後半15分過ぎからは出足で勝ってセカンドボールを拾うようになり、ホッフェンハイムのゴール前でのシーンが増えるようになる。そしてついに、後半30分にGKからのフィードをFWのウッドが落とし、それを拾ったホルトビーがDFライン裏に抜け出したウッドへスルーパス、GKと1対1になって並走していたハントに横パスを出すと、ハントが落ち着いてこれを押し込み、前節の香川が見せたプレイの再現のようなゴールでHSVが勝ち越す。

その後は当然ホッフェンハイムが猛攻を仕掛け、クラマリッチがGKと1対1になった場面はパパドプーロスがスライディングでミートさせず、PA右からの強烈なシュートはGKマテニアが弾き、PA左わずか外からのFKはポストと味方に当たって何とか跳ね返す。そこまでピッチ上を守備に走り回っていた酒井高徳も疲れが出たのか、終盤はパスミスが多くなり、一度は自陣で完全に相手へプレゼントしてしまってパパドプーロスの必死のカバーで助かるなど、HSVは終始ギリギリの対応を強いられたが、何とか耐えきって試合終了。

HSVは今シーズンたったの2敗しかしていないホッフェンハイムに対して大きな勝利をゲット、これで16位のアウグスブルクとは勝ち点4差に広げ、1部残留に向けて一歩前進を果たした。酒井も後半にプレイ精度は落ちたが、本当に良く走って攻撃でも散らしのパスや縦パスで味方の組み立てを助けていた。代表で何故それが出来ないかなと思うのだが(笑)、まあそう簡単な話じゃないんだろうね。