「”左で仕掛けて右で仕留める”新しいスタイルでドッペルパックを決めた浅野」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第28節 シュツットガルト-カールスルーエ

勝ち点7差を付けられ、3部への降格ゾーンまっしぐらで今期2人目のスロムカ監督が解任されるなどスクランブル状態のカールスルーエ。シュツットガルトとのダービーマッチに乗り込んだアウェイサポーターからはピッチにロケット花火が投げ込まれるなど、文字通りきな臭い雰囲気が充満する中での試合となった。

カールスルーエのフォーメーションは3-4-2-1で、守備時には5バックになるシステムなのだが、序盤から前線とDFラインの間が開いて間延びし、左ウイングに入った山田はとても守備に戻れず、WBのブフタが右SHの浅野と1対1での勝負になったのだが、スピードで負けて何度も浅野に裏を取られる始末で、試合は完全にシュツットガルトペース。

それでも何度かあった決定的なチャンスを決められなかったシュツットガルトだったが、25分に左サイドでの崩しからゲントナーがクロス、これにオフサイドギリギリで抜け出した浅野が冷静に頭で流し込んで、シュツットガルトが浅野の久々となるゴールで先制点をゲットする。

カールスルーエは後半7分、それまで浅野にやられっぱなしだったブフタを下げて4バックに戻し、山田をインサイドハーフにした4-3-3にしてからようやく攻撃の形が作れるようになったのだが、そのほのかな希望を粉砕したのはまたも浅野だった。

後半16分にカウンターから浅野が右サイドを駆け上がったのだが、中の選手は左のマクシムにパス、マクシムが放ったシュートはカールスルーエGKオリシュハウゼンがセーブするも、こぼれ球が浅野の前にこぼれて後は押し込むだけ。浅野のドッペルパックでシュツットガルトが2点差にリードを広げる。

その後は山田のロングスルーパスからGKと1対1になる決定的なピンチは作られたが、シュツットガルトはボランチのオズジャンに代えてギンチェクを入れ、4-4-2のフォーメーションにしてコンパクトなゾーンを作り、浅野も下がり気味になって守備でしっかり対応、そのまま2-0で試合終了。

2位のハノーファーが引き分けたため、これでシュツットガルトは再び首位を奪還、逆にカールスルーエは16位のビーレフェルトが勝ったため、プレーオフ圏まで勝ち点8差と極めて厳しい状況になってしまった。

これまでの浅野は左のインサイドハーフで、ゴールを決めるよりチャンスメイクをする役割だったのだが、右ウイングのレギュラーだったマネが負傷したため浅野が右に回り、左のマクシムとゲントナーで崩して右の浅野が飛び込むという今までとは逆の形になったのが、浅野のドッペルパックに繋がったと言える。この新しい「勝利の方程式」でもっとゴールを積み重ねて欲しいところだね。