「後ろから足を刈られ、顔を蹴られて鼻血を出しながらの奮闘も酒井は報われず」フランス・リーグアン第31節 マルセイユ-ディジョン

昨日はJリーグの試合を見ようと思ったのに、浦和対仙台も広島対ガンバも両方DAZNの時間表記がバグっていて、全くまともに見られなかったので仕方なくリーグアンの試合を観戦。こういう事って前から結構あるのに一向に改善されないんだよなあ・・・

さて後半戦は調子を持ち直し、ヨーロッパリーグも狙える順位にまで上がって来たマルセイユだったが、ここ2試合はリールとディジョンという下位チーム相手に連続ドローに終わり、ヨーロッパリーグ圏内の4位とは勝ち点7差、リーグカップの結果によっては5位まで可能性はあるものの、下とも勝ち点1差と厳しい立場に追い込まれつつある。

このディジョン戦では、とにかく相手のラフプレイに苦しめられた。ディジョンのフォーメーションは4-1-4-1で、最近にしては珍しく横にコンパクトでボールサイドに寄って激しくプレッシャーをかける守備スタイル。

前半からマルセイユの選手は後ろからのタックルや、足の裏を見せてのスライディングで何度も倒されるのだが、この試合の主審はラフプレイにファールを取ってもイエローを出さず、その割に後ろ足にちょっと足が引っかかっただけでカードを出したりと基準が謎で、結局ディジョンの選手は4枚のイエローカードを受けたのだが、ちゃんと裁いていれば2人の退場者が出てもおかしくなかった。

酒井に対しても、パスを出した後の無防備な体勢の時に後ろからスライディングという、一歩間違えれば大怪我をするようなファールでもイエローは出されず、クォンチャンフンの折り返しを頭でクリアした時に顔を蹴られて鼻血を出すなど、アジア予選帰りというのもあってよく故障しなかったなというぐらいに厳しい肉弾戦を強いられた。

そしてマルセイユは運にも見放され、前半にディジョンゴール前で相手が出した手にクロスが当たっても、腕をたたんでいたからノーファールと主審に判断され、前半のロスタイムに何でもないCKをマルセイユのセルティッチが足に当てそこねてオウンゴール、嫌な時間帯に先制点を許してしまう。

後半開始早々に、現役選手としては屈指のフリーキッカーであるパイェがゴールやや左の位置からキッチリ決めて同点に追いつき、その後はマルセイユが一方的にボールを支配するも、雨が降っている事もあってかサイドチェンジやラストパスがいまいち決まらずマルセイユはリズムに乗り切れない。

クラブでの好調を受けてフランス代表に招集された売り出し中のトヴァンも精彩を欠き、左サイドのパイェに比べてもボールを触る回数が少なく、サイドを離れて中に行く事も多かったのだが、後半に相手のクリアをPA内で拾ってもボールは枠の外と超決定機をものに出来ない。

マルセイユは後半35分頃に、PA正面から2度もフリーでシュートを打てる場面があったのだが、コースはGKのリーチ内と枠外でこれもやっぱり決められず。ロスタイムにはカウンターから勝ち越されそうなピンチはあったが、何とかマルセイユGKプレが触って冷や汗モノ。そしてそのまま1-1で試合は終了した。

酒井は、一度中でドフリーのゴミスに渡れば1点ものというグラウンダーのクロスをミスった場面はあったが、それ以外はアジア予選や相手のラフプレイの影響を感じさせない安定したプレイぶり。特に守備のポジショニングは向上していて、以前のような動き過ぎ、間合いの詰め過ぎ空け過ぎが無くなって、落ち着いた対応が出来るようになっており、マッチアップした選手には高さで完勝と、今は文句無しにマルセイユのレギュラーとしてふさわしい選手になっていると言える。