「もうカンテの肩代わりが必要無くなった岡崎」イングランド・プレミアリーグ第30節 レスター・シティ-ストーク・シティ

昨晩にレスターは最下位のサンダーランドに2-0で勝利、シェイクスピア監督へ交代してから6連勝を達成、イングランド人監督として初陣からの連勝記録をまた更新したわけだが、これはその前のストーク戦のレポート。

シェイクスピア監督になってから最初の3試合ぐらいまでは、レスターが復活したと言うよりは解任ブーストの意味合いが強く、攻撃陣の守備タスクからの解放と、それを埋める岡崎のこれまで以上のプレス、そして運とでギリギリ勝って来た印象が強かったのだが、ストーク戦ではそういったチームの無理が無くなり、シュート数も23対10とチャンス数でも圧倒、昨年のような安定した強さが戻って来たように思える。

その大きな要因が中盤の安定。かつてカンテが君臨していた頃は、カンテがあちこちに動きまくってプレスをかけ、ドリンクウォーターがバランスを取る形が多かったのだが、今はエンディディがアンカーの位置にどっしり収まり、長いリーチとフィジカルを活かして相手の攻撃をしっかり抑え、ドリンクウォーターはその前の位置でリンクマンとして動くという役割分担が固まって来た。エンディディは25分に見事な先制点となるゴラッソを決めたが、文句なしにMOMの働きだった。

中盤が安定した事で、それまではカンテの位置まで下がってカバーする事が多かった岡崎も前目にポジションを取れるようになり、ストークのマークが甘かった事もあって高い位置でミス無くボールを裁き、それによってマフレズも高い位置でプレイが出来るようになり、マフレズが上がったスペースをまた岡崎がカバーするという、昨シーズンのようなポジションワークが見られるようになるなど、全てが良い方向へと循環するようになっている。

この試合ではオルブライトンに代わってグレイが先発したが、ヴァーディ~岡崎~エンディディ~ドリンクウォーターのセンターラインが安定した事で、守備面で不安があるグレイも問題なくプレイが出来るようになり、よりターンオーバーがしやすい土台が出来たと言える。ラニエリが犯した過ちは、カンテが抜けた後の土台が出来る前に頻繁なターンオーバーをやってしまった事だというのが、この試合を見ていると非常に良く分かる。怪我人が続出した中でCLを戦う難しさがあったので同情は出来るんだけどね。

欲を言えば、やはり岡崎の得点。この試合では攻撃のリンクマンとしてファンやマスコミから高い評価を得る働きを見せたのだが、シュート自体は枠を外れたオーバーヘッドと、2-0になってからの終盤に、ドリブルで持ち込んでヴァーディに出さず自分で打ってGKに止められた2本のみと、またも本人にとっては不完全燃焼だった事だろう。難しいだろうけど、チャンピオンズリーグのアトレティコ戦で一発出ないかなあ・・・