「お疲れのドルトムントを必殺の香川ターンが救う」ドイツ・ブンデスリーガ第25節 ドルトムント-インゴルシュタット

現在は17位と降格圏に沈んでしまっているインゴルシュタット。しかしチームのトップスコアラーがレスカノの4点と、得点力のあるタレントが不足しているだけでチーム力はかなりのもので、既に降格しても現在の監督が続投する事が決まっているらしい。この試合も、ミッドウィークでロッテ戦をこなしてお疲れのドルトムント相手に互角以上の内容を見せた。

ドルトムントのフォーメーションは4-3-3で、香川はロッテ戦に引き続き左インサイドハーフで先発。対するインゴルシュタットはフォーメーション的には5-4-1の形だが、守備時には何と右CBのマティプが香川をマークするというオールコートマンマークのようなシステムで、ヴァイグルが怪我明けでベンチのドルトムントにとっては、ただでさえビルドアップに不安を抱えているのに、さらにゲームメイクを困難にさせられた。

しかし、そのピンチを復活の香川が救う。前半14分に縦パスを受けた香川にマティプがアタックをかけるも、これを得意なターンで香川はスルッと入れ替わり、左サイドをオーバーラップしたシュメルツァーにスルーパス、このクロスをオーバメヤンがきっちりボレーで合わせてドルトムントがワンチャンスで先制点をゲットする。

ドルトムントは先制点を取ってもやはり守備がパッとせず、19分にはインゴルシュタットのCKからレッキーがフリーで強烈なヘディングを叩き込むも、シュートはドルトムントGKビュルキがスーパーセーブで防ぎ、39分には左サイドをあっさり崩され、最後はキッテルがPA内でこぼれ球を蹴り込むも、ビュルキが必死でコースを消して何とか防ぎ切る。後半開始早々にも、ギンターとソクラティスの連携ミスからレッキーをゴール前でドフリーにさせる大ピンチになったが、シュートは枠に行かずドルトムントは命拾い。

後半11分に、トゥヘル監督はたまらずヴァイグルを投入して3-1-4-2にフォーメーションを変更するも、ドルトムントの攻撃は相変わらずペースが落ちたままで香川も徐々に試合から消え始める。ただインゴルシュタットにも疲れが見えて前半ほどのサイドアタックは見られなくなり試合は膠着状態に。インゴルシュタットは試合終了間際にも、クロスのこぼれ球をPA内でフリーだったレッキーがボレーシュートを放つも、これも枠外に飛んでしまい万事休す。結局試合はドルトムントが1-0の辛勝となった。

香川はここに来て公式戦3試合フル出場。まだ体調的に万全ではないのか、後半に消えることが多い懸念はあるがプレイ自体のキレは好調時のレベルに戻っている。これからW杯予選の週に入るが、今の香川なら十分期待に答えてくれそうである。