「”戦術ドルトムント”で結果は出ているだけに、浅野には悩みどころ」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第22節 シュツットガルト-カイザースラウテルン

先週の土曜日からJリーグが開幕し、早くも昨年の12月に予想した通りにあちこちで阿鼻叫喚な事態になっているDAZN。

その絶賛炎上中のDAZNで、日曜日の夜はライブでシュツットガルトの試合を観戦。でも時々画面がフリーズするなど夜になってもサーバーの不調は収まらず、ストレスはあったものの何とか試合終了まで見ることが出来た。

前節のハイデンハイム戦で”偽ウイング”浅野戦術が研究されて封じ込められたため、今節はウォルフ監督が何か策を立ててくるかと思ったのだが、左ウイングのグリーンに代えてブレカロを先発に据えたぐらいで、あとは全く同じメンバー、フォーメーションで臨んで来た。

当然、カイザースラウテルンも同じ対策を施してきて、浅野とゲントナーのインサイドハーフはダブルボランチがカバー、アンカーのグルギッチは2トップで挟み込み、シュツットガルトは満足なビルドアップが出来ず4人のDFの間でボールを回すだけで、ポゼッションは7割以上だがほとんどボールが相手陣内に入って行かない。

しかし、この4-1-4-1だけど攻撃時には2-3-4-1になって、2列目の4人が相手のバイタルエリアの中で待つという、インサイドハーフをゲームメイカーではなく主にアタッカーとして使う形は、実はドルトムントでも良くある光景なんだよね。そしてアンカーに負担がかかってビルドアップに苦しんでいるのも同じなんだけど、それでもこういう形に固執するのは明確なメリットがあるのだろうか? 確かにハマった時の破壊力はあるけど、確率的には低い策のように思えるのだが。

ただ、前節に比べると少しは浅野がボールに触る機会もあり、31分には浅野のドリブルからのパスでブレカロがシュート、43分にはPA左で抜け出し、ギリギリ折り返すもGKがキャッチ、45分にはマネからのクロスをヘディングしたが体が伸び切ってボールはクロスバー超えと一応は見どころを作ったが、前半のシュツットガルトは決定的な場面はほぼ皆無だった。

後半になると、シュツットガルトは早めに前線へ長いボールを放り込んでセカンドボールを拾うプランに変更、これが功を奏して徐々にシュツットガルトが良い形でボールを持てるようになる。そして後半15分に、左サイドをSBのインスーアがドリブルで持ち込み、中に居た浅野がDFをニアに引きつけると、そのスペースに飛び込んだテロッデがインスーアのクロスを足先で触り、コースが変わったボールがゴールに吸い込まれてシュツットガルトがようやく先制点をゲットする。

22分からギンチェク、グリーンが投入されて浅野はここでお役御免。その後はシュツットガルトが自陣でしっかり守ってカウンターへ狙いを切り替え、43分にはそれがまんまと当たって右サイドでのカウンターから左でフリーな状態だったオズジャンが冷静に流し込んで追加点、これで試合は完全に決まってしまった。

今節は2位のハノーファーが引き分けたため、これでシュツットガルトは2位に勝ち点5の差で首位固め。内容的にはイマイチで浅野も不完全燃焼な状態だけど、結果が出ているのだからこのまま同じ起用法になるのは確実だろう。さて、こういう状態でどう浅野は結果を出して行けるのだろうか。