「やっぱりMSNは卑怯以外の何物でもないよね」コパ・デル・レイ準決勝 第1レグ アトレティコ・マドリー-バルセロナ

もう1方のカードがセルタ・デ・ビーゴとアラベスの対戦だけに、事実上の決勝戦と見られるコパ・デル・レイの準決勝、アトレティコ・マドリー対バルセロナ。

アトレティコ・マドリーのホーム、ビセンテ・カルデロンで行われた第1レグは、前半のうちに2点を奪ったバルサがアトレティコの猛追を振り切り、まずは1-2で先勝して優位な立場に立った。

ブスケツとイニエスタが怪我で欠場したバルサだったが、セルジ・ロベルトとアンドレ・ゴメス、ラキティッチの中盤はDFラインとコンパクトな距離を保ち、序盤はホームの勢いで攻めるアトレティコにサイドを突かれながらも、中のグリーズマンとカラスコをきっちりパックしてチャンスを作らせない。

すると前半6分に、中盤でグリーズマンがマスチェラーノのタックルでボールを奪われると、スアレスが拾ってワンタッチでマーカーを抜き去り、4人に囲まれながらも最後はアウトできっちりゴールに流し込んで、バルサが一瞬のうちに先制点をゲットする。

アトレティコはおなじみ4-4-2のフォーメーションなのだが、いつものコンパクトかつ精緻で激しい守備が見られず、ゾーンの間で正確にボールを受けるネイマール、メッシ、スアレスに対して対応が後手に回り、前を向かせてはファールで止ざるを得ない悪循環。

そして34分には、メッシが右サイドから切れ込んで少し左足のアウトにかけたミドルが、外側へとカーブをしながらゴールポストに当たるゴラッソになって2点目。ほとんどシュートコースなんか無かったのに、ほんの一瞬のスキにスーペルなゴールを決めてしまうのだから本当に恐ろしい。

しかしアトレティコが後半からフェルナンド・トーレスを投入すると、試合の状況は一変する。トーレスがサイドや中盤に動いてボールを収める事でグリーズマンの動けるスペースが出来、DFラインの押し上げる時間も作れるようになってアトレティコらしいプレスが復活する。

後半4分に早速トーレスのポストからガビが抜け出してGKと1対1のチャンスを作ると、14分にはFKからのクロスを前半は消えていたグリーズマンが打点の高いヘッドで合わせてアトレティコが1点を返す。

バルサは中盤の運動量が落ちてアトレティコにボールを支配され、4バックは中に絞って耐えるのみで全くサイドのケアが出来ず、アトレティコがその後もサイドの高い位置で自由に基点を作って攻め立て、その後も折り返しに合わせたグリーズマンや、カラスコのオーバーヘッドなど決定機を量産するが決められず。

終盤には互いにスペースが出来てバルサも息を吹き返し、メッシやネイマールが絶好機を迎えるがこれも決めきれず。そのまま試合は1-2で終了、アトレティコにとっては後半に押しまくっただけに、何とも前半の戦い方がもったいない第1レグになってしまった。

しかしこのバルサの監督になったら、とりあえず7人のフィールドプレイヤーで守る方法さえ確立できたら、後は何も考えなくても勝手にMSNが2点以上取ってくれるのだから、おそらく世界で最も楽ちんな監督なのではないかと思ってしまいました、マル。