「スターの補強でヨーロッパリーグへラストスパート?」フランス・リーグアン第22節 モンペリエ-マルセイユ

前節と前々節は、上位のモナコとリヨンと対戦してコテンパンにやられてしまったマルセイユ。しかし冬の補強でユベントスからベテランのパトリス・エヴラ、ウェストハムから渦中のパイエというワールドクラスを補強した。

モンペリエ戦では早速エヴラが左SBで先発、そんなに激しい上下動はしないものの、ボールを持った時の落ち着きや判断、ブレの無いトラップはさすがで、それまでまともな本職がいなかった左サイドの攻撃が一気に活発化し、それまでは酒井のサイドに偏っていたビルドアップのバランスがようやく良くなった。

その効果もあったのか、それまでなかなか3点以上取れなかった攻撃陣が一気に爆発。前半の4分にロングボールの落としからダイレクトパスで抜け出したゴミスがマーカーを交わして先制点を挙げると、エヴラのオーバーラップを起点にモンペリエDFがラインを上げたタイミングでカベラが抜け出し、頭での折り返しをゴミスが決めて2点目。38分にはトヴァンのクロスをDFが頭で逸らせてしまうと、それを裏に居たロランドが押し込み、前半のうちに3-0と大きくマルセイユがリードする。

後半開始早々に、モンペリエのブデブズに直接FKを叩き込まれてしまい、その後もマルセイユはボランチがどっかに行って、CBもポストプレイに当たりに行けず、バイタルエリアを使われて酒井が上がった裏のスペースを使われるといういつもの悪癖を露呈、25分間に10本のクロスと6本のシュートを浴びせられるも、相手の決定力不足に助けられて何とか無失点で凌ぐ。

すると後半32分にロングボールに抜け出したトヴァンが倒れ込みながらゴミスにパス、これを落ち着いてゴールマウスに蹴り上げてマルセイユが勝利を決定づける追加点。試合終了間際には、カベラのクロスをヘディングで折り返したところをモンペリエDFレミーが思いっきりハンド、一発退場&PKでダメ押し。試合は5-1でマルセイユの大勝となった。

酒井は先発フル出場したが、サイドチェンジをもらっても対面のSBルシヨンにすぐ縦を切られ、トラップの狙いが定められずバタバタしているうちに詰められて後ろに返すだけになってしまったりで、エヴラを見てしまうとビジョンや判断の弱さが目立ち、結局クロスを上げた回数は1度きりと物足りない内容。相手が相手だけにボロが出なかったが、スペースは埋めても寄せが遅くて後手に回る守備も相変わらず。監督に使ってもらっている事に甘えず、これからブーストアップしそうなチームの勢いに乗り遅れないで欲しいね。