「ウォルフ監督が浅野にインサイドハーフ養成ギブスを着装?」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第18節 ザンクトパウリ-シュツットガルト

ザンクトパウリとシュツットガルトちという、合計で日本人選手3人が所属する対戦カードだが、宮市も細貝も怪我のためベンチ外で先発は浅野のみとやや寂しい事になってしまった、長いウインターブレイク明けの試合。

以前に宮市が出場した試合を見た限りでは、全く組織らしいものが感じられなかったザンクトパウリだが、12月に入ってからは3試合負け無しという結果が表すように、この試合は割りとしっかりした4-4-2のコンパクトなディフェンスを敷いてきて、U-21トルコ代表のジェンク・シャヒンの切れ味鋭いドリブルを中心に、シュツットガルトと互角の戦いを見せた。

シュツットガルトは前半戦の4-2-3-1を辞めて、新加入のアメリカ代表グリーンを左SHに、浅野を左インサイドハーフにした4-1-4-1の布陣で臨んだのだが、正直これがあまり機能しなかった。浅野は中盤で使うには守備が下手で、軽率に追っかけて交わされては相手を手で掴んで防ごうとするし、得意の飛び出しもタイミングやスペースがつかめず前半はわずかボールタッチは11回と攻撃選手の中では最低の数字だった。1度、うまくラインを抜け出してGKと1対1になったシーンはあったが、シュートのタイミングが遅れてGKに当てる始末。

後半からは、フォーメーションは4-1-4-1のままだがグリーンに代えてマネを投入、ポジションを変えて左SHになった事でようやく浅野も息を吹き返し、サイドを破って何度かクロスを上げるも得点には繋がらず、マネのドリブルからスルーパスを受けたシーンでは、トラップし損ねてボールを置いて来てしまい、何とかシュートは打ったがミートせず枠を外れるなどいつも通り決定力、ゴール前での落ち着きに欠けた。

ただし試合は、後半の40分にロングボールをギンチェクが頭でそらし、そのボールをテロッデがスルーパス、抜け出したマネがダイレクトでゴラッソを決めてシュツットガルトが勝ち越し点を挙げ、試合はそのまま1-0で終了。シュツットガルトが3試合ぶりの勝利で順位を2位に浮上させた。

ずっとサイドで起用していた浅野を突然インサイドハーフで起用し、一度はサイドに戻したものの、後半30分にギンチェクが入ってからはまたトップ下のようなポジションになっていたので、やはり監督に明確な意図があるのだろう。浅野のスピードを活かして中盤から飛び出させたり、プレイスタイルを広げるという狙いなのかもしれないが、守備の拙さを見るとトップ下ならともかくインサイドハーフは厳しそうな気がするのだが・・・