「女子のサッカーでゴラッソなミドルシュートが生まれやすい理由」全日本大学女子サッカー選手権大会 決勝 日本体育大学-早稲田大学

セリエAは再開したものの、本田と長友に出場機会が無いため完全に見たい試合のネタ枯れ状態。そんな中、BSフジで珍しく全日本大学女子サッカー選手権の決勝をやっていたのでそれを観戦。

前半にペースを掴んだのは日体大。フォーメーションは4-4-2で、2トップがSBの裏へ飛び出してパスを受けると、SHがインナーラップでパスコースを作り、さらにその外側をSBがオーバーラップするといった、スピードに乗った分厚い攻撃で早稲田を攻め立てる。が、パワー不足な日本人女性の悲しさ、最後のシュートに威力が無くてゴールを割ることが出来ない。

早稲田も、日体大の前線の飛び出しに対して徐々に守備が対応し始め、4-2-3-1で選手が忠実にトライアングルを作る、日体大とは対照的な細かいパスワークでサイドを崩し、流れを取り戻して試合は膠着状態に。と思った前半38分、ロングボールから日体大の平田が落としたボールを布施がダイレクトボレー、これが強烈なシュート回転になってゴールのサイドネットに突き刺さる、男子でも滅多に見られないゴラッソになって先制点が入る。

しかし早稲田は後半5分にPAの右側でFKを得ると、ファーに走り込んだ三浦が頭で合わせて同点ゴール、試合は振り出しに。その後は互いにプレスの勢いが落ち、テクニックとパスワークで勝る早稲田に試合のペースが傾くが、日体大も交代選手を加えてカウンターを仕掛ける場面もあり、一進一退のまま延長戦になるかと思われた後半ロスタイムに、早稲田の中村がゴール前のこぼれ球を拾って豪快なミドルシュートを決め、早稲田が劇的な逆転勝利で優勝を飾った。

試合の3得点のうち2点がゴラッソなミドルという珍しい結果になったわけだが、女子の場合はドリブルで持ち込んでシュートするよりも、マイナス方向に向かって来るボールをボレーするほうが、自分の筋力だけで蹴るよりも威力が出て得点に繋がりやすいという面もあるんじゃなかろうか。そんな事をつらつらと思い浮かべる昨晩であった。