日本サッカーは、口に苦い良薬を飲めるほど大人になったのか

昨日はさすがに見るべき試合が完全に枯渇してしまって、年末年始に放送されていた代表関連の特番をまとめて見ておりました。

日本サッカー新時代~2018年への旅~|テレビ朝日

NHKドキュメンタリー – 最終予選はこうして勝つ~ハリルホジッチ監督が語る激戦の舞台裏~

テレビ朝日のやつは、選手へのインタビューや対談がまとめられたもので、まあ内容的にはどうってことも無い番組でしたが、小林祐希の本田バリな自信満々ぶりが良かったですね(笑)。

その本田も一応インタビューは収録されていたのですが、扱いとしては軽めな感じになっており、番組のフォーカスとしては完全に原口や清武、大迫、久保のほうにシフトしていて、マスコミ的にはもはやターゲットの世代交代が完了している感がありますな。

そしてNHKのほうですが、ハリルホジッチが最終予選の後半戦をどう戦うかにフォーカスを当てた内容で、かつてトルシエ番だったジャーナリストの田村修一氏が聞き手だったので、突っ込んだ内容になるかと思ったのですが、戦術的な話は皆無だったのでちょっと拍子抜けでした。

ただ、後半戦の目標として走行距離を増やす、それもスプリント回数を180から230以上にしたいという点は注目すべきですね。

日本選手は運動量が多いと言われていますが、実際はスプリントじゃなくてダラダラと攻守に戻る場合が多く、Jリーグのスプリント回数はブンデスリーガなどに比べても低いというデータが出ています。ただし闇雲に走れば良いというわけではなく、同じリーグの強いチームは、それ以下のチームに比べると運動量、スプリントが少ないというデータもあります。

強いチームはデュエルや戦術的な強さがあるので、各選手が長い距離を走らなくても高い位置でボールを奪え、テクニックが高いので攻撃のミスが少なく、結果的にゴールまで短い距離と時間の中で攻撃が完結するので、トータルとして運動量が少なくて済むというわけです。

つまり、戦術・デュエル・スプリント・テクニックが全て関連して1つの指針になっているわけで、1つの点だけを取り上げても全く意味が無いのに、「体脂肪」や「デュエル」に続いて、今度は「スプリント」がハリルホジッチの小言として、マスコミのおもちゃにされるのかと思うとうんざりしますけどね(苦笑)。

トルシエの時も同じような事を散々言われ続け、ついには「俺たちには自由と創造性、テクニックがあるから、戦術やデュエルは必要無い!」と反乱して今の状況になってしまった日本サッカーですが、マスコミに付ける薬は無いとしても、協会だけは川淵時代と同じようなアレルギーを引き起こして終わりになってしまわないよう願うばかりです。