「見た目は攻撃の清水と守備の札幌、しかし戦術的には攻撃の札幌、守備の清水」高円宮杯U-15 決勝 清水エスパルスジュニアユース-コンサドーレ札幌U-15

今日は朝からゴミ出しの後に家具作り、そして大掃除とフル稼働で既にヘトヘト状態でまたも簡単に。

既にプレミアカップ、日本クラブユース選手権の2冠を達成している横綱、清水エスパルスジュニアユースに、ここまで4試合無失点、準決勝の湘南戦では6-0と圧勝して勝ち上がってきた札幌U-15との対戦。

試合は、いきなり前半6分に札幌のFKがゴールポストに当たってからの混戦で押し込み先制点が入るが、その5分後には清水のスローインから札幌のGK川上が右に寄っていたところで、清水の川本がGKの不意を突くミドルシュートを決めて同点に。

これで札幌のGKは少し浮足立ったのか、15分には清水の鈴木が左サイドから狙いすましたミドルシュートがファーサイドに決まって2点目を入れられると、今度は山崎がドリブルで左サイドから切れ込んで、またも同じコースにシュートを決めて早くも3点目。

しかし札幌はここから何とか立て直し、GK川上もその後はロビングのシュートを片手一本で弾くなど好セーブを見せ、最後は札幌が攻勢に出て清水を自陣に押し込むものの、清水はコンパクトなゾーンを作って粘り強く守り、試合はそのままタイムアップ。清水が今期3冠目を手にする事になった。

結果としては下馬評通りで決まってしまったが、札幌が前半の短い時間帯にガタガタと崩れて3失点をしてしまった事が響いただけで、内容的にはかなり拮抗した試合だったと言える。

札幌は、守備はゾーンディフェンスをベースに早いタイミングでマンマークに移る戦術だったが、2列目のプレスバックが忠実で常に数的優位を保って守れており、攻撃に移るとスペースへの早い飛び出しやサイドチェンジで、清水のコンパクトなゾーンを大きな展開で揺さぶる狙いがはっきり見え、全員が労を惜しまず良く走り、攻守に規律を持ってプレイする好チームだった。

逆に清水は、攻撃面では前線の選手がマークに付かれてもドリブルで無理に抜こうとするなど、狭い局面を個人で打開しようという意識が強すぎ、それが結果的に遅攻を招いてしまって、確かにミドルシュートで3点は取ったが、チームとして札幌の守備を崩し切るようなシーンは作れなかった。

ただ守備組織については清水は非常に洗練されていて、SBがマークに出たらCBとの間をボランチが下がって埋めたりと、サッキ式ゾーン・ディフェンスのディアゴナーレの連動が出来ていて、4バックもゴールラインからの高さによって幅を変えたりと、終盤に押し込まれはしたが組織は最後まで乱れることがなく、最後まで札幌に決定機は与えなかった。

とにかく、この年代でしっかりゾーン・ディフェンスが完成されているのは心強い限り。ユースのトップクラブだけじゃなくて、こういう流れがもっと広く浸透して欲しいと願うばかりである。