「トゥヘル監督の無茶振りを、何とか香川が受け止めデンベレが尻拭いしている状態」ドイツ・ブンデスリーガ第16節 ボルシア・ドルトムント-アウグスブルク

怪我人の続出とトゥヘル監督による戦術の迷走で、順位こそ5位なれど勝ち点的には優勝争いからは脱落しつつあるドルトムント。16節はホームで監督解任後2試合目となるアウグスブルクとの試合になったが、結果は1-1のドローで終了。これで順位は6位にまで落とすことになってしまった。

ドルトムントの謎戦術は相変わらずで、この試合ではDFが3バックでヴァイグルがアンカー、その前にシュメルツァー、ゲッツェ、香川、デンベレ、プリシッチが並ぶ3-1-5-1のような奇妙な並びになっていた。当然、3バックとヴァイグル1人ではまともなビルドアップなどは望めず、攻撃らしい攻撃を作れるのは、たまにデンベレが下がって受けてドリブルで突破した時ぐらいと、完全に個人頼みの組み立てに終始。

それでもドルトムントは、5-4-1で引いて守るアウグスブルクのサイドをプリシッチやデンベレ、シュメルツァーが切り込んでチャンスを作るが、30分に中へ飛び込んで放った香川のシュートはGK正面を突くなど決めきれない。逆に33分にカウンターからバルトラが中途半端な対応でスルーパスを通されてチ・ドンウォンがフリーでシュート、ボールはGKヴァイデンフェラーが弾くもののこぼれ球を押し込まれてしまう。

あまりにも簡単にカウンターを食らうドルトムントは、前半途中に3バックから4バックに切り替え、4-1-4-1にした事でようやくチームが安定、後半開始早々に中央からの崩しで最後は香川から右に走り込んだデンベレにパスが渡り、香川のアシストとなる同点ゴールが決まる。そしてその後もドルトムントが猛攻を見せ、後半14分にPA右を抜け出した香川にスルーパスが渡るものの、香川はキックをダフってしまい絶好機を逃す。

終盤にはカストロやシュールレらを次々に投入してドルトムントは逆転を狙ったが、香川を含めて怪我明けの選手だらけでは決定力は望めず、必死で守るアウグスブルクの守備を最後まで崩せず試合終了。選手の台所事情が苦しいのは分かるが、それにしてもリズムをみすみす失う羽目になった前半のフォーメーションがもったいなかった。攻撃もチームとしての形が無くて、ほぼデンベレ頼みの攻撃になっていて、これでまだ6位に留まっているのが不思議でもある(苦笑)。

香川については、渋滞を起こしている2列目の中で何とかボールを引き出そうと前線やサイドに幅広く動き、体のコンディション自体は悪くなかったように見えるが、2度のシュートチャンスを決められない場面を見ても、まだ足にしっかりボールが付いていない感がある。まだ怪我も治りきってないようだし、ウインターブレイク中に復調できるかどうか。

宇佐美はベンチ入りも結局出番なし。まあ相手がドルトムントという事でまず守備的な選手を並べ、同点のままだったから攻撃的なオプションは使えなかったのだろう。おそらく次はまたチャンスが来るだろうし頑張れ。