「やはり大迫は器用貧乏の罠に陥ってしまう運命なのだろうか」ドイツ・ブンデスリーガ第15節 ブレーメン-ケルン

ここ3試合で勝ち星が無いケルンと、逆に3試合で負けが無いブレーメンの対戦となったこの試合。

ケルンは前半28分に、ヘクターのスルーパスに抜け出したモデストのシュートを、ブレーメンGKドロブニーがかろうじて弾くもこぼれ球をルドニェフスが押し込んで先制したものの、40分にはニャブリの豪快な無回転ロングシュートを決められブレーメンが同点に追いつく。

それ以降はブレーメンの時間帯で、ケルンは右サイドを崩される形が多くなって危ない場面を何度か作るが、GKケスラーのナイスセーブ連発でなんとか凌ぐと、19分には逆にケルンがカウンターから大迫の長めのスルーパスにモデストが抜け出すも枠を捉えられず、20分には大迫自身がPA内でシュートを打つシーンもあったがポストをかすめるなど決定機をものに出来ず、その後はどちらも勢いが落ちて結局試合は1-1のドローで終了した。

またも勝ち点3が取れなかったケルン。調子が落ちた理由は明白で、とにかくエースのモデストが点を取れなくなった事である。実際に戦績も、最後にモデストが点を取ったのが11節のボルシアMG戦で、それ以降は勝ちが無くなっているわけで非常に分かりやすい。そして0-4と大敗したホッフェンハイム戦の後に、ルドニェフスがスタメンに加わってモデストとの2トップになり、大迫がトップ下へと下がってしまった。で、ルドニェフスは何だかんだで先発した2試合で得点を取っている。

一時はリーグのトップスコアラーになっていたモデストが相手に厳しくマークされるようになり、それまではモデストを基点にしてそこに大迫が絡む場面や、モデストを囮にして大迫が基点になるという循環が出来ていたのだが、ルートが細くなって前線にボールが来なくなり、そこを繋げられるテクニックを持った中盤の選手がケルンにいないので、仕方なく大迫が下がってプレイするためますますゴールから遠ざかるという状況になっていた。

で、ケルンは前線の基点を増やすために2トップになってしまったわけだが、後ろの枚数がその分減ってしまったケルンは、守備に好調時ほどの安定感が無くなり、特にサイドから攻め込まれる場面が増えてしまっている。その攻守のバランスが崩れたところもチームの調子が落ちた原因だろう。

ただ、モデストの代わりに大迫が点を取っていれば2トップの下に移ることも無かったわけで、これは大迫自らが招いた事態でもある。この試合でも決定機に決められず、テクニックや打開力はあるけどもシュートを決めるべき時に決められないのは大迫に残された欠点である。8割の力でコントロールしても威力のあるシュートを打てる筋力、体幹を強化する事が今後の課題ではないだろうか。