「やっぱり宇佐美は相変わらず宇佐美のままだった・・・」ドイツ・ブンデスリーガ第13節 アウグスブルク-フランクフルト

リーグ戦3連勝と絶好調のフランクフルトが、ようやく不調から立ち直って宇佐美も出場機会を得られつつあるアウグスブルクのホームへ乗り込んでの試合。

アウグスブルクのフォーメーションは4-2-3-1だが、守備時にはSBが中へ絞ってボールサイドのSHがSBの位置まで下がる、実質的にはフランクフルトと同じ5-2-3という形で、序盤からともに守備的な布陣でのミラーゲームで慎重な立ち上がり。と思ったら、前半13分に右からのアーリークロスをマイヤーが落とし、フルゴタがボレーで叩いたシュートがアウグスブルクDFの足元を抜けてゴールに吸い込まれる。

これでビハインドになったアウグスブルクは攻撃的な4-4-2の形にシフトし、アルティントップとチ・ドンウォンをフランクフルトのラインの裏へと走り込ませる動きに長いボールを合わせ、長谷部も何とかラインを高く保とうとするのだが、前線の選手がボールの出しどころを上手く抑えきれず、長谷部の奮闘むなしくフランクフルトはジリジリとラインを下げられてしまう。すると34分に、アウグスブルクのCKがこぼれたボールが完全なフリーになっていたチ・ドンウォンの前にこぼれ、そこからミドルを決められてフランクフルトは同点に追いつかれる。

同点に追いついてアウグスブルクは勢いづき、そこからフランクフルトの5バックと3トップの間にあるサイドのスペースで基点を作り、後半からは立て続けに5本のシュートを浴びせ、15分にはチ・ドンウォンのクロスからシュミットが決定的なシュートを放つが、フランクフルトGKフラデツキーが辛うじて手に当ててボールはクロスバー。そして防戦一方だったフランクフルトも、21分にサイドをスルッと抜け出したマイヤーが角度の無いところからシュートを打つが、ゴールマウス上でクリアされて得点ならず。

アウグスブルクは29分に最初の交代選手として宇佐美を右ウイングの位置に投入するも、攻め疲れて勢いが落ちた状況ではサイドの守備に追われてなかなか攻撃に絡めず、フランクフルトもヘクターを入れて長谷部をボランチの位置に上げるが、長谷部も高い位置の攻撃ではミスが出て得点に絡めず、最後はどちらもドローで良しという姿勢になって試合終了。

フランクフルトはチームの形としてはアウグスブルクよりも出来上がってはいたのだが、ドリブラーのファビアンを出場停止で欠いてしまい、攻撃のアクセントが無くなって全体的に単調になってしまった事が響いた感じ。ガチノヴィッチも焦って空回り気味で、前線ではマイヤーだけが落ち着いてプレイ出来ている状況ではさすがに厳しかった。

宇佐美はアウグスブルクに移籍してからは初めて見たのだが、守備意識は向上してはいたものの、ボールを奪った後の切り替えがやはり遅い。マイボールになった瞬間はジョギングしていて、味方が前を向いてボールを持ってから前線へと走り出していたが、それではあまりにタイミングが遅すぎる。周りがお膳立てするのを待つのではなく、自分が真っ先に攻撃の基点を作りに行かないと、残念ながらこのままスタメンを取れない状態は続きそうである。

長谷部はリベロとしては相変わらず効果的なビルドアップを見せていたが、ボランチの位置ではややプレイに戸惑いが見られ、このままクラブでリベロとしてずっと起用されていると、明確なアンカーを置かないハリルホジッチの戦術では、代表に戻った時に勘が失われてしまうのではと少し心配になってしまったなと。