「そのフィードが代表では出来ないのは、吉田別人がプレイしているせいか?」イングランド・リーグカップ 準々決勝 アーセナル-サウサンプトン

準々決勝とは言え、そこは序列としては3番目のタイトルだけあって、プレミアリーグの前節からアーセナルはエルネニーを除く10人、サウサンプトンは8人を入れ替えた完全な2軍同士の対戦になった試合。リーグではなかなか先発させてもらえない吉田もスタメンで出場。

サウサンプトンのフォーメーションは4-5-1。低い位置に2ラインのゾーンを設定し、4バックの横のスペースをボールサイドのSHが下がってスペースを埋める、ユーロ後のトレンドとなっている守備的布陣。当然ながら、先発総とっかえでコンビネーションもクソも無いアーセナルは、ゾーンの間に選手が入ってボールを受けようとするも、そこから前に出せず仕方なく後ろやサイドへ戻すだけで、全くシュートまで持ち込めない。

で、ちょっとバックパスのコースや受け手との呼吸が乱れると、そこにサウサンプトンの選手が襲いかかってボールを奪うのだが、サウサンプトンもゾーンの位置が低いために前線の選手へのサポートが遅く、せっかくのカウンターのチャンスも1トップのロングが孤立してしまってこちらもシュートまでには至らない。

しかし前半の13分に、吉田から左サイドを駆け上がったバートランドへ糸をひくようなサイドチェンジが渡り、クロスからのシュートはDFに一度は当たるものの、こぼれ球をクラーシが豪快に叩き込んでサウサンプトンが先制する。ここからアーセナルは反撃・・・と思われたが低調なペースは一向に変わらず、逆に38分にはサウサンプトンが高い位置でボールを奪い、左サイドをブファルがドリブルで突破すると、中に切れ込んだバートランドへ折り返しのボールが渡り、トラップから左足でコースへ流し込んでサウサンプトンがシュート2本で2点目と効率よく加点する。

後半になるとさすがにアーセナルも修正して来て、前半はボールを受けにフラフラ下がるばかりだった前線の選手がサウサンプトンのDFの間でポジションを取るようになり、サウサンプトンのラインが下がって空いたゾーンの隙間に、交代で入ったジャカらがゴリゴリとドリブルで強引に仕掛けてマークを剥がしにかかるが、吉田も変に慌てず冷静にブロックするなどサウサンプトンもしっかり対応する。

後半25分頃からは互いに中盤が空きはじめ、アーセナルはラムジーやギブス、サウサンプトンはロングらに決定的なチャンスが訪れたがいずれもシュートミスで得点ならず。最後はゴール前の中央を人数で固めるサウサンプトンに対し、アーセナルがひたすらサイドからのクロスやセットプレイで攻め立てるが、サウサンプトンの守備は最後まで崩れず0-2で試合終了。サウサンプトンはホーム&アウェイの準決勝でリバプールと対戦することになった。

この試合、吉田は一度やらかし系のミスパスはあったが、総じて利き足の右だけじゃなくて左足でも良いフィードを連発、守備でも終始落ち着いた対応で、あわや相手にフリーで抜け出されそうになったシーンでも、イエローにはなったが素早い反応でタックルを仕掛けるなど、のファンからも高い評価を得ていたのが当然の出来だった。しかしクラブでは出来るのに何故代表になるとサイドチェンジがタッチを割ったり、左サイドへ良いパスが出せなくなるのか本当に不思議である。岡崎の場合とは逆で、代表では吉田の弟がプレイしているんだろうか?(笑)