「改めて認識する、FWの調子と決定力の関係性」ロシアW杯欧州予選 グループF イングランド-スコットランド

グループリーグの3試合を終わってまだ無敗と好調のイングランドと、1勝1敗と波に乗り切れないスコットランドが対戦したウェンブリーでの第4節は、ホームのイングランドが3-0と快勝して首位を快走する一方、スコットランドはグループ5位に転落、W杯への道はかなり厳しい状況になってしまった。

ただ試合の内容的にはほぼ互角、と言うかシュート数はイングランドの9本に対してスコットランドは12本と上回り、イングランドの枠内シュート3本が全て得点になったという、まさに決定力の差がこういう結果になってしまったわけだ。

スコットランドのフォーメーションは、今年のユーロでも良く見られた守備時には2列目がフラットになる4-5-1という形。このタイプの利点は、2列目の1人がボールホルダーへアタックに行っても、中盤が4人残っているのでバイタルにスペースが空かず、守備陣形が崩れにくいという点にある。イングランドは4-3-3というかルーニーがほぼトップ下でプレイする4-2-3-1のようなフォーメーションだったが、スコットランドの守備に埋もれてルーニーの存在感はFKの場面以外は薄かった。

しかしこの試合ではサイドの活躍がイングランドを救った。前半23分に、スターリングの放ったミドルシュートがブロックされてオーバーラップした右SBウォーカーの前に転がり、ダイレクトのクロスに鋭く反応したスタリッジが頭で流し込んでイングランドがワンチャンスで先制点をものにする。

先制点でややペースを落としたイングランドに対しスコットランドは出足の良さで上回り、その後にスコットランドは少なくとも3回の決定的な場面を作るものの、ゴール前で完全なフリーでヘディングしたハンリーは何故か真上に打ち上げてしまい、フレッチャーのミドルも大きく外れて得点ならず。さらに後半3分にはクロスのスルーからPA内でフリーになったフォレストのシュートはダフってしまい、4分のスノッドグラスのシュートはイングランドGKハートが足で止めてゴールならず。

かろうじて怒涛のピンチを耐えきったイングランドは、逆に後半5分、今度は左SBローズのクロスをララーナがヘディングで上手くコースに決めて2点目を決めてしまう。さすがにこの得点は堪えたのかスコットランドの勢いが落ち始めると、16分にはルーニーのCKをニアで飛んだケイヒルが頭でそらして3点目。これで試合は勝負あり。

後半30分に、この試合イングランド唯一の選手交代でヴァーディがスタリッジに代わって入ったが、レスターでの不調が示すように消極的なプレイが多くて輝けず。昨年はハリー・ケインとの2トップで今後のイングランドは決まりと思えたぐらいだったのに・・・スコットランドの決定力も含めてFWの調子は水物であり、代表では旬な選手を選ぶ必要性を痛感させられる試合だった。

そう考えると、やはりサウジ戦のFWは現状では岡崎ではなくて大迫だと思うのだが・・・果たしてハリルホジッチの選択する先発メンバーは誰が並ぶのだろうか。