「ハリルホジッチが出した問題に、選手はどう答えたか」キリンチャレンジカップ2016 日本-オマーン

来週火曜日に行われる、ロシアW杯アジア最終予選サウジアラビア戦に向けて、仮想サウジを想定して行われたオマーン戦。昨晩は仕事の飲み会があって帰ってすぐ沈没したので、今朝に1.5倍速で再観戦した。

試合の展望では、チェックするポイントは戦術と攻撃陣を挙げていたのだが、それに対する回答はある程度見えたのではないかと思っている。

オマーンは5バックのゾーンの5-4-1という布陣で守備を固めてきたが、4-2-3-1で来るであろうサウジも基本的には守ってカウンターで来るはず。それをどう崩すかというハリルホジッチのプランは、SHを中に入れてSBを高い位置に上げ、そこにボランチから縦パスを入れるという形だった。

そのキーとなるボランチについては、序盤はパスミスが結構あって危ないシーンを作りかけたが、山口、永木、交代で入って最後にシュートを決めた小林祐希もしっかりタスクはこなせていたように思う。プレッシャーのかかるサウジ戦で同じようなメンタルで出来るかどうかは分からないが、一定の成果は挙げられたのではないだろうか。

SBをウイングのように張らせる事で相手の守備ラインを横に広げ、サイドで基点を作ってから選手が縦に動いてギャップを作り、バイタルからパスを出す攻撃が前半は機能していたのだが、その中心となっていたのは大迫のポストプレイと清武のパスセンスで、後半に清武が下がってからはバイタルでのボールの出し入れがとたんにギクシャクしたのを見ても、この2人がサウジ戦でも攻撃の主事期になるべきではないかと思った。

ついでに攻撃陣について言及すると、2列目の左右で先発した齋藤については、動き出しは良かったが、ボールを受ける部分でミスがあって代表の速いパス、テンポにまだアジャストしきれない面があって可能性は見られたがまだこれからという感じ。本田はポジショニングは悪くないが、やはり判断、プレイ精度は上がってない。現状ではサブが妥当だろう。

浅野については相変わらず判断の精度に難があり、岡崎はヘディング、シュートにミスがあってまだ本来の出来ではない感じ。久保は動きにキレを感じたがボールをもらう回数が少なく、清武がいた状態で見たかった。サウジ戦は左SHは原口で固いとして、右をどうするかが注目点になりそうだ。

守備面では、ゾーンを組めた時はそれなりに安心して見られていたが、カウンターなどで相手を1対1でしっかり止めないといけない場面、そのカバーリングという面では怪しい部分があったのは要修正。先発の丸山は良いフィードはあったが、吉田とのコンビには課題があってサウジ戦はやはり森重が先発だろう。

ただSBについては相変わらずの手詰まり感。攻撃では前に上がっても味方とタイミングが合わなかったりクロスの精度に欠け、かつての長友と内田のレベルからは依然程遠い。長友が回復すればサウジ戦で先発してもらいたいところだが・・・さてサウジ戦はどんな先発メンバーをハリルホジッチは並べて来るのだろうか。