「浅野のリーグ戦初ゴールは目出度いが、ドッペルパックは行って欲しかった」ドイツ・ブンデスリーガ2部 シュツットガルト-カールスルーエ

同じ州どうしにあるという事で、「バーデン=ビュルテンベルク・ダービー」と銘打った試合になったシュツットガルトとカールスルーエの試合。シュツットガルトの浅野は4-2-3-1の左ウイング、カールスルーエの山田大記は4-4-2のボランチとして先発に顔を揃えた。

やはりダービーマッチという事で序盤から互いに激しくプレスを掛け合う展開になり、ややホームのカールスルーエのほうが押し気味で、シュツットガルトのボランチが活発に動き回る山田らの厳しいプレッシャーを受けており、ウイングの浅野も守備に戻っては前線へと懸命に動くがなかなかボールが回ってこなかったが、前半の10分に右サイドのリスタートからベルカイのクロスをマネが頭で折り返し、落としたボールがフリーになっていた浅野の前に転がり、ダイレクトで叩いたシュートがゴール右に決まってシュツットガルトがワンチャンスで先制点を挙げる。

前半はそのまま一進一退の攻防が続いたが、後半からシュツットガルトがデロッデを投入、それまで1トップを務めていたベルカイを1列下げて、フォーメーションを4-1-4-1に変更した事が試合を動かした。後半1分に、左サイドからインスーアがオーバーラップして上げたクロスを、デロッデが高い打点のヘディングでシュツットガルトが早速2点目を奪う。

その6分後にPKでカールスルーエに1点差には詰められたものの、中盤で数的優位に立ったシュツットガルトは、それまで得点シーン以外では消えがちだった浅野にもボールが回るようになり、後半20分ごろにはPA内左サイドを抜け出しての決定機があったがGKにシュートをぶつけてしまい、その直後のチャンスもシュートが上手くヒットせずドッペルパックならず。

後半32分に、疲れが見える浅野に代えてシュツットガルトはマクジムを投入したが、後半41分にシュツットガルトはカウンターから5対3の数的優位を作ってカールスルーエのゴール前に迫ると、最後はマクジムが切り替えしてからの強烈なシュートを叩き込んでダメ押しの3点目。試合はそのまま終了、シュツットガルトは首位のブラウンシュヴァイクとは勝ち点3の差となる2位へと浮上した。逆にカールスルーエは12位から14位へと後退してしまった。

浅野は待望のリーグ戦初ゴールを奪い、1対1では積極的にドリブルを仕掛けて相手を抜き去る場面は何度かあったが、そこからのクロスやシュートが残念な事が多く、まだまだラストプレイの集中力が足りてない様子。サイドでのボールの受け方、味方とのコンビネーション、ポジショニングにも戸惑っていた感じで向上の余地はたくさんある。1トップで使って貰えそうにないのは残念だが、この得点でこれからもチャンスはもらえると思うので、ひたすら地道に努力だね。

山田は精力的に中盤を駆け回り、ボールを奪っては早いタイミングで縦パスを出すなどカールスルーエの攻撃を支えていたが、サイドチェンジなどの大きな展開はあまり出来ず、守備では相手に詰めてもフィジカルの差でボールを奪うところまでは行かず、ブンデスリーガのボランチとしては、もうひと回りプレイのスケールを大きくする必要がありそう。上手く行けば、長谷部の後継者になれるかもしれないかも?