「11月のオマーン戦では、大迫と久保の2トップを是非とも試して欲しい」UEFAヨーロッパリーグ グループB ヤングボーイズ-APOEL

グループリーグ2連勝と好調なアポエルをホームに迎えたヤングボーイズ。ここまではAPOELと対照的に2戦して勝ち点1と低迷しているだけに勝利が絶対に必要な試合だったが、相手に先制される苦しい立ち上がりながら何とか逆転に成功、勝ち点を4に伸ばしてグループ突破の望みをつなげた。

ヤングボーイズもアポエルもフォーメーションは4-4-2。しかも、攻撃時にはボランチの1枚が下がってSBが上がる3-5-2の形になり、DFからのサイドチェンジでビルドアップする、現在のトレンドである攻撃的なゾーン・ディフェンスという方向性まで同じと、あまり戦術好きとしては面白みのない試合ではあった(笑)。

ただし、ヤングボーイズのほうはサイドアタックから一発のクロスやパスでシュートまで持って行こうという意識が高くて攻めが単調なのに対し、アポエルはグループ首位に立っているだけあってか、サイドでボールを持っても時にはボランチを経由して逆サイドへ展開したりと攻撃の幅が広くて、序盤はアポエルが優位に立つ展開。

そして前半14分に、ラインを上げて攻め急ぐヤングボーイズの一瞬のスキを突いたスルーパスからアポエルのエフレムが抜け出し、飛び出したGKの頭上を越すシュートを決めて先制する。が、その直後にヤングボーイズは右サイドからのクロスが抜けたところをファーサイドにいたシックが折り返し、FWのオアロがきっちり押し込んで同点に追いつく。結果的に、この早い同点ゴールが試合のキーポイントになった。

前半のその後は比較的拮抗した試合展開になったのだが、後半になると明らかにヤングボーイズの出足がアポエルを上回るようになり、中盤の激しいプレスでボールを奪っては素早く攻めるヤングボーイズの攻撃がアポエルを圧倒する。同じフォーメーションで攻撃的なチーム同士のマッチアップになると、出足の差、ツヴァイカンプフの勝率が大きく試合展開を左右するのは定石である。

ヤングボーイズの猛攻に防戦一方となったアポエルは、後半6分に交代で入ったメルキスがCKの時にザカリアを掴んで倒したという判定でPKを献上、オアロのキックはGKに弾かれたもののこぼれ球を再び押し込んで2点目。そして後半36分にはサノゴのドリブル突破がPAエリアギリギリで倒され、外のようにも見えたが判定はPK。今度はオアロが逆のコースに蹴ってハットトリック。試合はそのままヤングボーイズが逃げ切り、大きな勝ち点3をゲットした。

久保は先発フル出場。終盤にゴールのファーサイドへ撃ったシュートはGKのナイスセーブに阻まれるなど得点は無かったが、ボールを持ったらゴールへ一直線に向かう姿勢はFWらしく迫力があり、それでいてクロスやパスも正確性を見せて、オールラウンダーとしての能力は見せられたように思う。

万能でありながらこれといった大きな武器が無いところは大迫と良く似たところがあり、交互に上がったり下がったりで役割を変幻自在に変えられると思うので、意外と代表戦で2人を組み合わせると面白いような気がするが・・・サウジ戦でいきなりというのは難しいにしても、その前のオマーン戦で試す時間を作って欲しいね。