「インサイドハーフとして使われても意識がトップ下のままのように見える香川」ドイツ・ブンデスリーガ第8節 インゴルシュタット-ドルトムント

チャンピオンズリーグのスポルティング・リスボン戦には勝利したもののリーグ戦ではここ2試合で勝ち星がないドルトムント。今節も最下位のインゴルシュタット相手に、アウェイとは言え内容的にはほぼ負けの試合を展開してしまった。

ドルトムントのフォーメーションは、表記的には香川がインサイドハーフに入った4-3-3という形だったが、攻撃時にはSBのパク・チュホとピシュチェクが高い位置に上がり、ウイングのデンベレとオーバメヤンが中に入った2-1-4-3という形になっていた。

インゴルシュタットは4-1-4-1のコンパクトなゾーンで守っていたのだが、ドルトムントはサイドはSBの選手1枚だけで、あとは攻撃陣全員が中に入って交通渋滞を起こしてしまい、特に左サイドはデンベレと香川、パク・チュホの連携が取れて無くてパスの受け手と出し手のタイミングが合わず、なかなかシュートまで持っていくことが出来ない。

そして前半の6分と24分に、右サイドから放り込んだFKから同じような形でヘディングシュートを決められてしまう。ドルトムントのピンチはそれだけでなく、カウンターかあサイドを崩されて前半のうちに少なくとも5回は決定的な場面を作られており、もし3点目が入っていたらドルトムントの負けになっていた可能性は高かっただろう。

後半になると、トゥヘル監督はパク・チュホに代えてプリシッチを入れ、デンベレとプリシッチをワイドに張らせた3-2-4-1のようなフォーメーションに変更、香川が前半より下がったポジションでゲームメイクをし、インゴルシュタットが作るゾーンの外側から攻める形に代えた事で、ドルトムントの攻撃にリズムが出て来る。

ドルトムントが圧倒的に攻める中で、後半14分にドルトムントがオーバメヤンのゴールで1点を返した時には、このまま逆転しそうな勢いを感じたのだが、そのゴールの直後にキックオフからサイドを崩されて3-1と再度インゴルシュタットに突き放されてしまい、ドルトムントはカストロに代えてゲッツェを入れてさらに攻撃的にシフト。

後半24分にデンベレ、プリシッチのドリブルで崩して最後はラモスが押し込んで1点差に迫るが、逆にカウンターの場面も増えてその後は一進一退。後半もロスタイムに突入してこのままインゴルシュタットが逃げ切るかと思ったら、パワープレイの放り込みからピシュチェクがヘディングで合わせると、一度はGKが弾いたものの最後はプリシッチが押し込んで劇的な同点ゴール。インゴルシュタットは手からポロリと勝ち点2がこぼれ落ちてしまった。

香川は体調不良が心配されたが、この試合では先発して後半28分までのプレイ。後半は純粋なインサイドハーフとしてゲームメイクでチームに貢献したが、前半は相手と味方が密集するバイタルエリアに早く入り込み過ぎ、たまにボールが来てもバックパスしか出来ず、左サイドでのコンビネーションも合わず、試合を通してみると印象はイマイチ。香川本人としてはゴール前で得点に絡みたいという意欲が強いのだろうが、今の調子とチームでの役割分担を考えると、もっとトップ下ではなく中盤の選手として割り切ったほうが良いのではないかと思うのだが・・・このままでは怪我人が戻ってくればまたサブ暮らしになってしまうそうな気がする。