「確かにこれは過去最高のレスター、過去最高の岡崎かもしれない」イングランド・プレミアリーグ第3節 レスター・シティ-スウォンジー

今期は2試合でまだ未勝利、しかもカンテの代役として獲得したメンディが怪我をしてしまったという事で、シーズン開始から暗雲が垂れ込めていたレスター。3戦目のスウォンジー戦ではガーナ代表DFであるアマーティをボランチとして起用する苦肉の策に出たが、これがラニエリらしからぬヒットとなった。

アマーティはカンテよりもフィジカルに長け、ボールを奪う能力はそれほど高くないが良く走って常にプレッシャーをかけ、攻撃ではドリブル能力は無いけどもシンプルにボールをはたいてリズムを作り、ドリンクウォーターの負担を軽くしていた。DFの前でフィルターがしっかりかかるとフートとモーガンのCBは楽になるし、何より攻撃に対する効果が大きくなる。

前半のレスターは正確でスピーディな攻撃を展開、さらには昨年のレスターにも無かったような、ドルトムントばりにフクスとシンプソンがオーバーラップしてダイレクトでクロスを上げるようなシーンもあり、得点こそ32分にカウンターからドリンクウォーターのスルーパスに抜けだしたヴァーディが決めた1点のみだったがスウォンジーを完全に圧倒、ビッグクラブに引けをとらない素晴らしい内容だった。

その中心にいたのは岡崎で、ワンタッチのポストプレイはほぼミスがなく、もちろんいつものように中盤で守備のタスクをこなしながら、前半終了間際にはスウォンジーGKファビアンスキの好守に阻まれたが良いコースにミドルシュートを飛ばし、後半にはこれもセーブされたがこぼれ球に反応して惜しい場面を作り、トドメは後半11分にPKを誘発するファールを得るなど、ラニエリが過去最高の試合と褒め称えるのも納得のプレイだった。レスターのGKシュマイケルが怪我をしてツィーラーに交代した影響もあるのだろうが、岡崎には珍しく後半35分まで交代しなかったのが、ラニエリの評価を裏付けている。

ただ、岡崎とオルブライトンがピッチから去るととたんに守備がドタバタし始めるのがレスターの悩みで、交代した直後にフクスのミスからクロスをフェルに決められて1点差に迫られてしまったものの、その後はスウォンジーに8本のクロスを浴びながらも何とか守り切って試合終了。レスターが今シーズンのプレミア初勝利を飾った。

最後はやや慌ててしまったが、カンテとメンディの穴をアマーティが上手く埋めてくれたし、シュマイケルの怪我にはハノーファーから獲得したツィーラーが早速役に立ってくれたし、これで何とか一安心というところ。これからAマッチデーがあるために2週間の中断になるが、その前に気分よく終われたのは大きい。岡崎にはアジア予選もこの調子のまま頑張ってもらいたいね。