「やはり高倉監督に求められるのは”正しい世代交代”」なでしこジャパン新監督発表

昨日はとある場所へ飲みに行ってて、帰ってから一応マンチェスター・シティとレアル・マドリーの試合を見たのですが案の定寝落ちで戦評はパス。あ、ハートは頑張ってたなと(笑)。

なので、昨日発表があった高倉麻子監督がなでしこジャパンの新監督に就任した話題を取り上げてみます。

高倉監督と言えば、2014年に行われたU-17女子W杯で優勝という快挙を成し遂げ、2015年もU-19アジア選手権でも決勝で北朝鮮を破って優勝するなど、ユース世代で高い実績を挙げており、その手腕については疑いようはありません。

試合を見ていても、フル代表と同様にポゼッションは重視しながらも、より縦に早くサイドを活かした攻撃を志向するなどモダンな要素を付け加えていて、戦術的にも問題なく継承は出来るはずです。

ただ問題は、比較的体育会的な指導が上手く行きやすいユース世代とは異なり、フル代表はベテラン選手に対するリスペクトも必要で、単に私について来いという姿勢だけでは、試合で結果を出している時はいいですが歯車が狂った時に不協和音の元にもなってしまいます。マネージメントの困難さはユース世代と比較になりません。

とは言え、高倉監督に求められるのはやはり世代交代。世代交代は上から押し付けるものではなくて、下から追い越すのを待つものだという意見はありますが、リーグに外国人選手が少ない女子サッカーの場合は、男子のJリーグ以上に世界経験が選手の成長へ与える影響が大きく、無理にでも若手を起用しないと伸びないのは佐々木監督時代に痛感しているはずです。

ハノーファーがユース監督だったシュテンデル氏をトップチームに引き上げ、ゾーン・ディフェンスを整備して自らが育てた若手を起用しだしたら、とたんに降格決定チームとは思えない強さを発揮しだしたように、適切な戦術の元で高いレベルを経験することで飛躍的に伸びる選手が出て来るはずです。今まで世代交代が進まなかった理由は、選手任せの戦術に若手を放り込んだ事にもあるでしょう。

佐々木監督時代のなでしこジャパンが作り上げた「あうんの呼吸」を一度解体し、組織戦術を整備した上でそこにマッチする若手を適切に配置、経験を積ませて能力を高める。そういうミッションを高倉新監督には期待したいところです。