「Jリーグ勢の、異常な”世界3位”率の高さ」クラブW杯 3位決定戦 サンフレッチェ広島-広州恒大

この後に決勝戦もあるので、広島の3位という結果は嬉しいけど感想はあっさり目で(笑)。

まあ毎度おなじみと言おうか、試合開始4分でCKから相手の高さとゴール前での集中力にやられて先制点を奪われた時には、やっぱりJリーグ勢はこの力づくパターンに勝つことは出来ないのかと暗い気持ちにさせられた。

が、広島よりもさらに試合間隔が1日少ない広州は、ハイプレスをかけて来たのは前半10分頃までで、そこからは広島が後ろ向きにボールを回すと追いかけて来るが、前向きになるとすっと自陣に下がって網を張る守備に切り替えてきた。そのおかげで、広島は徐々に自分たちのパス回しが出来るようになった。

ただいくら良い形でサイドから攻める事が出来ても、中が1トップの佐藤のみでは高さが足らず、シュートには持って行けるんだけど威力が無かったりコースが甘かったり、相手守備の集中力も高くてなかなかゴールを割るところまで持って行けない。という感じでジリジリしている間に前半が終わってしまった。

ターニングポイントになったのは、後半から広州がエウケソンを下げて鄭龍に変えた事。何故そういう采配をしたのか分からないが、これによって広州は前線での強力なポストプレイ役を失ってしまい、そこから広島が完全にボールを支配するようになって浅野のスピードが広州を追い詰め始める。

しかし広島も連戦の影響で単純ミスが目立つようになり、これは息切れになってしまうかと思ったのだが、広州とは逆に後半13分から投入されたドゥグラスが大きな仕事をやってのける。

後半25分に右CKからニアで選手が潰れ、こぼれたボールを浅野がスルーすると、広州のDF梅方が何故かドゥグラスのマークを完全に外してしまい、ドゥグラスがフリーでボールを頭で押し込み同点。そして38分には、これも途中出場の柏からのクロスを浅野がヘディング、シュートはクロスバーに当たってものの跳ね返りをまたドゥグラスが押し込んで広島が鮮やかに逆転する。

その後は広州がパワープレイに出るものの、エウケソン、グラルという高さを欠いた状況では広島を苦しめるまでには至らず試合はそのまま終了、広島は見事世界3位として表彰台に上がる事となった。

それにしても、日本勢がクラブW杯に初出場した2007年以降の出場回数は5回を数えるが、そのうち3位になった回数が実に3回、準決勝に進出できなかったのは2012年の広島のみと、出れば毎回好成績を挙げているのは非常に不思議である。

まあ、その5回は全て日本開催なので、それだけホームで有利という事もあるのだろうが、ピッチ、審判、日程で同じ条件であればJリーグ勢もそこそこ世界と対等に戦える証明でもある。この結果と、ACLで優勝できない落差を今後どうやって埋めるのか。その解決策を来期の広島が示してくれるのを期待したい。