「殴り合いは武藤の最も得意とするところ」ドイツ・ブンデスリーガ第8節 ダルムシュタット-マインツ

昇格組ながら、強豪シャルケとドルトムントに引き分けての2勝4分け2敗と大健闘を見せているダルムシュタットホームでの試合は、マインツが終了間際のPKで追いつかれそうになりながらも相手のミスでラッキーな勝点3を拾う結果になった。

ダルムシュタットの戦術は、モダンサッカー何それ美味しいの?というぐらいに愚直なプレッシングスタイルで、守備時はトップに1人残して中盤の5人が相当早いタイミングでマンマークを仕掛け、攻撃はロングボール中心でセカンドボールを拾うというフィジカルサッカー。ACLにおける日本もそうだけど、案外こういう単純なスタイルにテクニシャンなチームはやられてしまうんだよね。

ただ、ダルムシュタットにとって不幸だったのは、マインツも指向性としては似たようなスタイルだった事。中盤の構成力という点ではマインツのほうがわずかに勝り、前半はプレス合戦のような形からデ・ブラシス、武藤、ハイロというスピードのある「3本の矢」がダルムシュタットのディフェンスラインの裏を突く攻撃でペースを握り、15分にはセットプレイから先制すると、24分には右サイドでの武藤の落としから好調マリが中へ切れ込んでのミドルシュートを決めて2点を奪った。

しかしその3分後に、PA内でダルムシュタットのヘラーにうまく反転されてゴールを決められた事でダルムシュタットが息を吹き返し、後半になって髭もじゃのザイラーが投入されると、そのヒゲに込められた謎の決定力で同点にされてしまう。

この均衡を破ったのは武藤のプレイで、後半20分にスローインからの流れでマリからのパスを武藤が受け取ると、反転しながらラインを突破してPA内へドリブル、シュートはGKに防がれるもののこぼれ球をマリが押し込んでマインツが再びリード。その後も武藤はフリーでシュートを打つチャンスはあったがGKに片手でセーブされるなど得点ならず、39分でお役御免。あとはPK失敗で終了という流れだった。

武藤は2点に絡む活躍だったとは言え、今回もシュートチャンスを物に出来ず。やはりドイツのレベルが高いGK相手では、いかにもこれから打ちますよというテレホンシュートではなかなか得点は出来ない。さらに精度を高めるか、香川のようにGKのタイミングを外すテクニックを身につけるか、岡崎のように細かい動き直しでGKの意識を迷わせるようなスキルを身に付けていくべきだろう。