「川崎の問題だけじゃなく、結局日本人の頭が変わらなければ差は埋められない」親善試合 川崎フロンターレ-ボルシア・ドルトムント

昨日は前半の30分ほどを見ただけだった、川崎フロンターレとドルトムントの親善試合をじっくり見てみた。

結果はご存知のように川崎が0-6で大敗してしまったわけだが、まあ正直なところフィジカルやテクニックじゃなくて、サッカー脳が大人と子供ぐらいの差があるなという印象を持ってしまった。

序盤のドルトムントは、川崎がどういうサッカーをやって来るのか手探りしている感じで、比較的中盤が川崎の選手に食いつきに行って、それで出来たスペースに川崎の選手が動いてそれなりにパスが回せていたのだが、ドルトムントは30分頃になると川崎のサッカーを見切ったようで、自陣にしっかりゾーンを作って待ち受けるようになると、とたんに川崎は前にボールが出せなくなってひたすら短い横パスやバックパスで逃げるだけになってしまった。

そして後半からレギュラー陣が登場し、4-2-3-1のゲーゲンプレッシング仕様になると川崎は横パスすら出来なくなってボールをどんどん後ろに下げるだけ。そして何とか縦にボールを入れても素早い寄せでボールを奪われ、そこから瞬時に攻め切るドルトムントの攻撃に川崎の守備はあっけなく決壊、高いラインの裏を面白いようにオーバメヤンに蹂躙されて失点を重ねてしまった。

まあ、バイタルエリアからサイドにボールを出されても、何故か井川だけが深いポジションを取ってラインを無意味にしてしまうぐらいに守備組織が無い川崎と、前に出て来る相手が大好物なドルトムントとの相性は最悪だと思っていたけど、それにしてもあまりに無抵抗過ぎたよね。

では川崎とドルトムントで何が一番違っていたかと言うと、「1対1に対する思想」であるように思う。現代サッカーでは、戦術的なマッチアップが高度に発達した結果、いかに1対1で勝つかという点に対する比重が極めて高くなっている。メッシやイブラヒモビッチのように、1対1で止められない選手が相手にいた場合、彼らに2人以上を当てることによって必ずどこかで数的不利に陥るし、マッチアップをずらす事は組織の複雑化を招き、それもまたミスに繋がってしまう。だからこそ、そういったスーパースターの値段が高騰するのだ。

つまりボールを出す側も受ける側も、常に相手のマークを外す事を意識し続けないといけないし、パスを出す場合はマークが外れている味方、それも出来るだけ相手ゴールに近い位置にいる選手を狙う必要があり、必然的に視野は遠くパスは強くなる。そして自分にマークが付いていないと思ったら、躊躇なくドリブルで前進してその状況を利用する、もしバックパスをするにしても、相手のプレスを受けないように大きく速くボールを動かす。そうしないと、欧州のトップレベルでは通用しないのだ。

翻ってJリーグの場合は、守備というのはボールを奪うことではなくて縦へのパスコースを切る事であり、そこで相手がバックパスをしても深追いはせずにポジションを守ったままがほとんどである。だから、川崎も攻撃が止まってしまったら短くバックパスで繋げばまた攻撃の組み立てを仕切り直し出来るわけで、そういったぬるま湯環境ではいちいちマークを剥がす、マークから守るという意識を持つ必要がなく、視野は自分の周り5mだけで済んでしまう。

そういう”なんちゃってポゼッションサッカー”を破壊するような、プレッシングやハードマークを売りにするチームがJリーグに増えてくれる事を願っているのだが、鳥栖の尹晶煥監督が更迭されたように、日本では残念ながらそういう「自分たちのサッカー」をしないリアクションサッカーは、選手からもサポーターからも不評を買う事になってしまっている。

華麗にパスを回す事が良い攻撃じゃなくて、1対1を制する事が良い攻撃だと意識を変えなければ、おそらく何年経ってもこの差は詰まらないだろう。風間監督を笑う人は多いけど、彼が本当に言いたいことは結局そこなんだと思うよ。

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2015/07/09 | Jリーグ, 未分類

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