「香川がゴールを決める前の動きに見た、復活の証」ドイツ・ブンデスリーガ第30節 ボルシア・ドルトムント-フランクフルト

昨日から体調が悪いのはてっきり二日酔いのせいだとばかり思っていたんだけど、午後になっても調子が上向かず、どうもこれは風邪なんじゃないかと思って体温を計ったら38度あったという始末。それでも何とかドルトムントの試合は生で見たので戦評を。

試合の序盤は、フランクフルトがドルトムント対策の常套であるしっかりリトリートしてスペースを消す守備が機能する。オーバメヤンは相変わらずポストプレイに下がって来ようとしないし、香川にはマンマークこそ付けないが長谷部とメドイェビッチが絞ってパスコースを寸断、ボランチのギンターとベンダーにミスが多くて何度か危ないピンチを作られた。

それにしても長谷部は対戦相手の目線からすると嫌な選手だよね(笑)。フリーでパスを受けられると思ったらどこからともなくカバーに来て体を当てられるし、1対1も粘り強くて負けないし、ボールを奪うとシンプルにパスを繋いで来る。いや、マジでトゥヘル監督は彼の獲得を考えたほうがいいんじゃないか。

しかし長谷部の奮闘むなしく、23分に香川の縦パスを受けたシュメルツァーがダイレクトで折り返したところ、フランクフルトのキッテルが上げた手にボールが当たってPK。これをオーバメヤンがクッキアイオで決めてドルトムントが先制する。これでフランクフルトのゲームプランが崩壊してしまった。

そこからはいつものフランクフルトで、全体的に上がり目になって長谷部がアンカー気味になるもののスペースを1人で埋められるはずもなく、SBが上がったスペースをオーバメヤンや香川が流れて使い始め、34分にGKからのボールをオーバメヤンが右サイドを突破して折り返しを入れると、そこに走りこんだ香川が合わせて2点目をゲット。

このシュートシーンでは、ファーサイドから走りこんだ香川が一瞬ニアへ蹴るようなフェイントを見せている。フランクフルトのGKはおそらくそれに反応してニアのコースを消すように倒れ込んでいるのだが、香川のシュートはそれとは逆にファーへ流し込まれた。

これだけでなく、この日の香川は股抜きを狙ったり意表を突くパス、プレイが多く、こういう彼らしい遊び心や余裕がやっと出て来たんだなと安心する。前の試合でようやく復活したんじゃないかと思っていたが、この試合を見て確信した。もう香川は大丈夫だろう。試合を見学したハリルホジッチ監督も納得したんじゃないだろうか。

ドルトムント全体も、絶好調時のようなゲーゲンプレスの迫力は無かったが、各選手が随所でよく粘りを見せて体を投げ出し、フランクフルトに全くペースを掴ませなかった。こういう試合が出来れば、勝ち点3の差になったEL出場権は十分可能性が出て来るように思う。