ボルシア・ドルトムント、クロップ監督の辞任に寄せて

今日の夕方に、ドイルのビルト紙がボルシア・ドルトムントのクロップ監督が辞意を表明したとの一報を入れ、現地時間の13時半にクラブから緊急記者会見があると続報があった事で、ある程度予想はしましたがとうとう6/30をもっての辞任が正式発表されました

辞任の理由として述べられたのは、「現在、私はもはやこのチームに完璧な監督ではないと感じている」「チームには変化が必要」、つまり他の監督が率いたほうが良いと決断したという事でした。

正直なところ、今期のドルトムントの不振はクロップの手腕よりもチーム編成の不備によるところが大きく、今までのシーズンだったらバリオスやレヴァンドフスキという強力なポストプレイヤーがいたのに、今期はラモスにしてもインモービレにしてもポスト役としては期待はずれで、仕方なくオーバメヤンを1トップに据えたものの、相手に引かれると全く基点が作れずにカウンターを食らいまくるのがパターンになってしまいました。

それでもまだ、昨シーズンはロイスやギュンドアンを中心にしたカウンターサッカーでそこそこ結果は出していましたが、今期の彼らは怪我を抱えてベストコンディションが保てず、フンメルスやスボティッチ、ピシュチェク、グロスクロイツ、ヴァイデンフェラーといった黄金期を支えていた守備陣も安定した働きが出来ず、あまりにも簡単に失点をプレゼントし過ぎていました。

もっとも、1トップ候補として獲得寸前まで行っていたマンジュキッチは、クロップ監督が性格を問題視して拒否したという噂が出ており、そういう意味では多少の責任はあったでしょう。しかし新監督に就任するのではと言われている元マインツ監督のトゥヘルはもちろん、誰が監督であっても今期の選手編成で結果を出すのは難しかったと思います。

今期の編成ミスに加え、移籍が噂されているフンメルスやギュンドアンに対するクラブの処遇にもクロップの不満はあったはず。いくら選手を育てても次から次へとビッグクラブに引き抜かれて弱体化してしまう立場に嫌気が刺した面もおそらくあったのでしょう。

ただ、ドルトムントはいろんな意味で変わらなければならなかったのも事実で、その手始め、象徴として監督が交代するのはある意味必然だとも言えます。とにかく、これでドルトムントにとっての1つの美しい時代が終了した事は間違いありません。その一部分にはっきりと日本の香川が存在していた事はとても幸せだったと思います。

非常に有能な監督であるだけに、これからどこの指揮を執るかを予測する報道は激しくなるでしょうし、香川の去就についてもいろんな邪推がされたりするでしょうが、ひとまずは静かに感謝を捧げたいと思います。

お疲れ様でした。Vielen dank, Jürgen Klopp!