「そして誰がアギーレを守るのか」アジアカップ準々決勝 日本-UAE

この試合の展望では、日本が普段通りの力を出せば勝てる相手だと書いたんだけど、まさか中2日でここまで質量共に状態が低下するとは思わなかった。

その象徴が試合開始7分に食らったUAEの先制点で、中盤も長友も不用意に上がっててプレッシャーが全くかからず、あっさり縦パスを通されて決められてしまった。グループリーグではあれだけ落ち着いて試合に入っていたのに、魔が差したかのようなふんわりしたメンタルで試合に入り、足が地につくまでにやられてしまった。

そして攻撃もグループリーグのような連動性はすっかり影を潜め、まるで悪い時のザックジャパンのように足元とワンツーのショートパスサッカー(笑)で全くサイドチェンジやダイレクトクロスのような緩急が出せず攻めあぐねるばかり。

それでも一応シュートまで持ち込むチャンスはたくさん作ったのだが、数こそ35本とすさまじい数字を叩きだしたものの、枠内シュートはわずか8本、そして得点は1点のみ。昨日のエントリーでシティが日本、アーセナルがUAEになる可能性はあると書いたけど、まさにその通りの自滅になってしまった。あんな事書くんじゃなかったよ。

結果論だけど、やはり無理矢理にでもヨルダン戦でターンオーバーすべきだったのだろう。3戦目で勝ち抜けが決まってないのでベストメンバーの起用は理解できるが、この試合の柴崎の健闘を考えればもっとサブ組を信用しても良かったのではないか。そこに関しては間違いなくアギーレの判断ミスだったと言えよう。

もう試合の内容について書く気分ではないので、今後の焦点となるであろうアギーレの進退。これで間違いなくマスコミは解任決定報道一色になるだろうし、世論もその方向で一致してしまうのは避けられない。個人的には、アギーレのチーム作りはまだこれからだろうし、日本が呼べる中ではマシな監督だと思っているが、現状は彼をかばえる材料は残念ながら非常に少ない。

そして本当の問題は、アギーレの解任によって協会内の某一派が実権を掌握し、大仁会長や原さんが要職を辞任するかレイムダックになってしまう事である。そうなると、監督選びはマスコミがリークするような日本人監督かピクシーやレオナルドといった”自分がよく知っているビッグネーム”になってしまう可能性は高い。まあ、それでロシアW杯出場を逃して旧態依然の早稲田閥、古川閥を一掃できるならそれはそれでOKかもしれないが。

大仁会長は一応試合後にアギーレ続投を明言してはいるが、果たしてこれから襲ってくるであろう内外の大波に持ちこたえられる腕力を四面楚歌状態の中で発揮できるのかどうか。個人的には監督どうこうよりも、協会トップのビジョン、理念が一番大事で遅れている部分だと思っているので、是非とも乗り越えてもらいたいところなのだが・・・