日本サッカー協会における「失敗の本質」

昨日は、アジア大会のネパール戦や海外組の試合がてんこ盛りな1日だったのですが、私自身は隔月恒例のイベントに参加していて疲労困憊、夜もテレビをつけながら沈没してしまったのでサッカーには全く触れずじまいの1日でした。

てなわけで、いつもメールをいただいているZEROさんから、先日書いた「U-16日本代表のアジア予選敗退に安堵する」というコラムについてのご意見をネタで紹介。

日本サッカー協会がよく口にする「方向性は間違ってない」ですが、これを見てると、名著「失敗の本質」と共産党の選挙総括を思い出してしまいます。

失敗の本質の文庫版338pに日本軍と米軍の戦略・組織特性比較が出ていますが、

日本代表は、

  • 戦略目的 不明確(どこを目指すか分からない)
  • 戦略思考 短期決戦(現状ではW杯を何試合も戦える戦い方でない)
  • 戦略策定 帰納的
  • 戦略オプション 狭い(戦い方がワンパターン)
  • 技術体系 一点豪華主義(パスワークだけ)
  • 組織構造 集団主義(これはザックの後半期はマイナスに働いた)
  • 組織統合 属人的統合(スタメンと控えで差がありすぎる)
  • 組織学習 シングル・ループ(ショートパス志向という中でしか学ばない)
  • 組織評価 動機・プロセス(「方向性は間違ってない」の言葉の通り)

全てが当てはまってしまいます。サッカー協会が問題なのは、結局広い視野でものを考えられる人間がいない、ということではないでしょうか。

日本の組織にありがちな失敗を繰り返しているので、とても気になっています。少なくとも、幹部は「失敗の本質」を読むなりしてもう少し深く考えて頂きたいと思います。

失敗の本質は不勉強な事にまだ読んだことがないので、ぜひ読ませていただきます。

おそらく協会の中にも、広い視野でものを考えられる人はいるのだとは思いますが、協会が巨大な金を握るようになった川淵政権以降、イエスマンとスポンサーの顔を伺う人たちが力を握ってしまっているというのがあると思います。

接待やら何やらで忙しいのかもしれませんが、そういう人たちがサッカー協会なのにちっともサッカーを見ていないという事は、川淵のジーコ任命の経緯や、原さんに丸投げの代表監督選びを見ていれば十分に分かります。脳梗塞になってもサッカーを毎晩見続けているオシム翁の爪の垢を煎じて飲ますにはもったいない人たちですよ(笑)。

現状ではそんなサッカーを忘れた人たちが、経営コンサルかなんかの「時代はスペインのようなパスサッカー!」「日本の技術と組織力を強みに!」「攻撃的なサッカーで代表戦収入50%アップ!」みたいなパワポを見て「いいねえ、それで行こう!」って強化の方向性を決めているようにしか思えません。

まあ、ディマリアを売っぱらってハメス・ロドリゲスをお買い物した銀河系軍団や、300億を使って昇格組に5点ぶち込まれて負けた赤いチームとかあったりするので、日本だけじゃなくてどこの世界も金が集まる組織は腐敗していくものなんだなと痛感しますなあ・・・