ツール・ド・フランス第17ステージ「表彰台サバイバル」

フルームとコンタドールという2大巨頭がリタイアした後は、ニーバリが山岳になると余裕で最後にスパートしては着実にライバルとの差を広げる無風状態の優勝争いでひんやりしたムードが漂ってしまっていますが、その分表彰台争いが非常に熱くなってます。

図式的には、2位のバルベルデに対して3~5位を占めているピノー、バルデ、ペローというフランス勢という形に絞られてしまっており、7位以下のヴァンガーデレンやモレマといった選手は山岳でどんどん遅れていくばかりなのでもう上位に返り咲く可能性はありません。しかもバルベルデは以前のステージでピノーと共闘を拒否しながらアタックしたという経緯があり、フランス人の憎しみを一身に受けているという状態(笑)。

で、その2位から5位までが毎ステージ抜きつ抜かれつしているわけですが、このステージでは頂上ゴールの登りでまずペローのアタックにバルベルデが遅れ始め、そこからバルデのペースアップにピノーも遅れ、いったんピノーは追いついたものの再びペローがアタックするとニーバリは付いて行ったが他のフランス勢は遅れてしまい、結局ゴール地点ではバルベルデがピノーとバルデを5秒差で再度上回るという目まぐるしい展開になり、総合結果ではペローがジャンプアップしてバルベルデに42秒差の4位まで浮上し、さらに表彰台争いが加熱してきました。

あと日本人的に嬉しかったのは、ユーロップカーチームの新城幸也選手が逃げ集団に入り、最後から2つ目の峠である1級山岳ヴァル・ルーロンアゼ峠で集団を終始引っ張る鬼神の働きを見せ、一緒にいたエースのピエール・ローランを総合10位まで引き上げる働きを見せました。そしてその新城のおかげでマイカは逃げ切ってステージ優勝と、ステージを盛り上げる影の立役者だった事は間違いありません。

しかしここに来て、ステージ優勝したマイカやステージ5位のデマルキなど、山岳で活躍する伏兵選手が出て来たのは嬉しいですね。マイカはコンタドールの、デマルキはサガンのアシストであるために序盤から総合タイムを考えずにここまで来ているので、その差が無ければ総合争いももっと賑やかになったのになと思ってしまいます。コンタドールやバッソ、エヴァンスなど各チームのエースとして活躍してきた選手の世代交代も近づいて来たと思うので、是非来期以降は存分に力を発揮できる立場になって欲しいですね。