「史上最大の罰ゲーム」ブラジルW杯3位決定戦 ブラジル対オランダの展望

オランダは120分間の激闘を戦った後の中2日という極めて厳しいスケジュール、ファン・ハール監督自身が「3位決定戦などやるべきじゃない」と語っているようにモチベーションとしてはほぼゼロ、そしてブラジルは当然ながらドイツに1-7と恥辱にまみれた試合の後だけにスタジアムでは惨めな晒し者になる事が確実と、おそらくW杯史上最も望まれない試合になるであろう3位決定戦。

ただし、どちらに勝利への渇望があるかと言われると間違いなくブラジルの方だろう。いや勝利へというのは間違いで、正確には負けてこれ以上の恥辱を舐めるわけにはいかない、せめて最後に勝って少しでも意地を、今大会における自分たちの価値を残したいという切実な願いである。

ブラジルはネイマールを欠くにしても日程的には有利で、攻撃的な守備で動き回るダビド・ルイスのお守り役としてチアゴ・シウバが復帰するので、ドイツ戦のようなカオスな守備にはならないはず。リアクションに力を入れているチームが多い今大会においては、日本の場合を見ても守備が安定しない事が戦況に与えるダメージは非常に大きい。なので変な入れ込みが無い限りは内容的にはかなりマシなブラジルが見られるはず。

優勝への義務、プレッシャーという足かせが無くなったことで、フェリペ監督の采配的にもある程度の自由が生まれると思うので、フレッジやフッキ、フェルナンジーニョら調子が上がって来ない選手を大胆に入れ替えてくるかもしれない。せめて活きの良いブラジルを最後に見せて欲しいものである。

オランダは監督もそうだが選手のモチベーション的に持って行き方がかなり難しい。もう頭がバカンスに行ってる選手も多いはず。なのでこちらも思い切ってサブを多用する可能性は十分にあると思う。とは言えサブと言っても実績がまともなのはフンテラールぐらいで、選手を多少入れ替えたところで何かが変わるわけでもないのだけど(笑)。何をどう失敗しても次はマンUでの生活が待っているのだから、ファン・ハールには選手起用よりも戦術でビックリするような奇策を見せて欲しいかな。