「プロとアマの差はやはり判断とメンタリティ」大学サッカー関西選手権決勝 大阪体育大学-関西学院大学

日本中がコスタリカ戦の結果に湧いている中、ほとんど誰も興味を持たないであろう大学サッカーの関西選手権決勝のレポートを(笑)。

なかなか試合への出場機会が与えられない高卒Jリーガーに代わって、J2以下のクラブにとっては即戦力として太いルートになりつつある大学サッカー。関西選手権の決勝で対戦している関学にも、ガンバやヴィッセル、千葉などの元Jユース選手が多数おり、個々の能力的にはなかなか高いものを見せていた。

が、やはりプロのレベルと比べて明確に劣るのは状況判断とメンタリティ。関学は3-3-3-1という現在ではほとんど使われていない攻撃に先鋭化したフォーメーションを取っていたのだが、攻撃こそ2列目の3人が高い位置でボールを受ける基点にはなっていたものの、後ろの3-3がそれぞれ吸収されたり離れたりと統率されておらず、それがサイドに振られての失点につながってしまった。

その後は自陣でしっかり守る大体大の壁に苦しみ、前線に4枚が並んでいるもののただDFと並んで立っているだけでオフ・ザ・ボールの動きが無く、中盤はスペースも出来ていないのに無理なミドルパスを連発してはカットされ、全く守備にギャップを作り出すことが出来ていなかった。しかも大体大が後半早々に2枚目のイエローで1人退場になった後で、つまらないタックルでPKを与えてしまう始末。もしこれが決まっていたら優勝は大体大のものだっただろう。

ところがそれを関学GKが止めたことで一気に動きが良くなり、前線を2列目の選手が追い越してDFラインを突破するギャップ作りの動きが突然活発になってチャンスを量産、85分にとうとうアーリークロスからの胸トラップをFW呉屋がツインシュートを決めて同点に。10分ハーフの延長線も関学ペースは続き、互いに決定機はあったものの最後は出岡が決めて関学が逆転優勝を飾った。

しかし毎回のように先制点を奪われても平然とし、当然のように攻めきって勝ってしまう今の代表を見ると、いかに選手個々のブレないメンタル、判断、それを支える自信というものが重要なのかよく分かるね。技術やフィジカル云々よりも、そういう部分が日本サッカーにとっての積み上げてきた最も大きな財産なのだろう。