「フォルランと戦術がどうにも合ってないセレッソ」J1第7節 セレッソ大阪-ガンバ大阪

42723人と満員の観客で盛り上がった長居スタジアム、そして試合は激しい攻め合いの末に2-2のドローで終わるという、まさに現在の順位は関係ない意地の張り合いであるダービーマッチらしい試合で、見ていた人のほとんどは満足したのではないだろうか。

ただ、Jリーグの盛り上がり的にフォルランというスターを獲得した効果が成績に現れて欲しいセレッソの立場からすると、いろいろと問題点が噴出した内容だったのではないかと思う。

まずは守備のポジショニング。一応、相手ボール時には4-4-2の形を取ってはいるのだが、最終ラインがフラットでなくてSBが微妙に高く、SHがこれまた中に絞り気味なので、サイドの裏のスペースを使われた時に対処が遅れ、しかもSBが酒本と丸橋という守備力に劣る人材なので結局周りの味方が戻ってフォローせざるを得なくなる。

その欠点が顕著に出てしまったのが、前半37分に今野の負傷で佐藤がFWに入り、遠藤がボランチに下がった後の展開で、フォルランに運動量が無くて柿谷1人でガンバのボランチを見る羽目になり、当然ながら遠藤は余裕で時間を作って正確なミドルパスで左右に配球、そこで基点を作られて逆転まで流れを持って行かれてしまった。

そして攻撃でも各選手の動きやプレイが行き当たりばったりで、連携した動きや練られたコンビネーションが無く、その場のアイデアや判断だけでプレイをしているためにパスミスが多くなり、ポジショニングに共通理解が無くて選手間の距離がバラつき、ボールを奪われた後にあっさりスペースを使われてカウンターを許してしまう。

通常なら、一方のサイドでプレスからボールを奪ったら、逆サイドのボランチとSHはスライドしながら高い位置を取る動きをするんだけど、セレッソの場合は何故か皆さん足を止めておられて、広大な逆サイドのスペースにやっとこさSBがノロノロと攻め上がってボテボテのサイドチェンジが渡る、という有り様。

フォルランを使うのであれば、もっと守備負担を軽減させるべく4-4はコンパクトな戦術にしないといけないし、視野が広くてサイドチェンジが正確なフォルランを基点に、もっとサイドが早く動き出す必要があるのだが、そのどちらも現在のセレッソには欠けている。ポポヴィッチ監督にそれが出来る能力があると思えないので、個人的には悲観視せざるを得ない。つーか、長谷川監督と取り替えたほうが良いのでは。ガンバは嫌がるかもしれないけど(笑)。

一方のガンバも、やはり遠藤を前目で使っても意味があるとは言いがたく、結局後ろに下がってゲームメイクするので、4-5-1みたいになってしまって攻撃力が落ちてしまう。やっぱ宇佐美待ちなんだろうね。リンスも宇佐美のような選手がいて活きる選手のように思うし。でも今野の怪我がW杯にとっても心配だね・・・