「清武もチームもターニングポイントになるか」ドイツ・ブンデスリーガ第22節 ニュルンベルク-ブラウンシュヴァイク

この試合を前半40分の時点で見ていた人の99%は、このままニュルンベルクが負けてしまう方に賭けたであろうというぐらい、前半のニュルンベルクはとことん運に見放されてしまっていた。

何しろ、序盤からホームのニュルンベルクが押し気味で試合を進めながらも、32分にカウンターから抜け出されかけたところをニルソンが後ろから倒してしまって一発レッドの厳しい判定、その2分後にはセットプレイから先制点を許し、そして40分のPK献上である。10人で2点差をニュルンベルクがひっくり返すとは誰も信じなかったはずだ。

ところが、そのPKをGKシェーファーが見事な読みでクムベラのPKをセーブすると、後半試合開始10秒でロングボールからペクハルトの落としを拾った清武がミドルシュートを突き刺して同点にすると、その直後にはドルミッチのスルーパスから右サイドを抜けだしたペクハルトが逆転ゴールを決めるという、ブラウンシュヴァイクにとってはいったい何が起こったのか、という狐につままれた気持ちだっただろう。

この驚きべき試合は、その後も後半18分にブラウンシュヴァイクに与えられたPKをまたもシェーファーがセービングで凌ぎ、逆に5分後のニュルンベルクのPKでは清武の蹴ったボールがGKの手に当たってからバーに当たるという不運で決まらず、1試合3回のPK失敗というブンデスリーガ珍記録のオチを付けた。

兎にも角にも、残留争いのライバルに対してこういった絶体絶命の試合で勝ち点3を拾ったのは非常に大きい。リーグで優勝や残留を決めるチームというのは、どこかでそのターニングポイントとなる試合があるものだが、ニュルンベルクにとってはこの試合がまさしくそれかもしれない。

清武は新加入のカンパーニャにスタメンを譲るのではないかと言われていたが、後半のPK失敗後に交代。それも監督の予定通りという話だったので、あまり心配することは無さそうだ。それよりも、後半戦になってから相手へのボディコンタクトを厭わないようになり、攻撃では相手に体を預けた反動でボールをキープするなど、ますますブンデスリーガらしい戦う選手になって来ているのが喜ばしい。PKは失敗してしまったが、これにめげずにガンガン自己主張してリーダーシップを発揮してもらいたい。