「残り3分からの逆転劇」高校選手権 決勝 富山第一-星稜

録画していたこの試合を見る前は、一応どっちが勝ったかという結果だけで得点経過については知らなかったので、いったい富山第一はいつ点を取るんだと思いながら試合を見ていたら87分まで来てしまいましたとさ(笑)。

それだけ、試合自体は星稜が自分たちのパターンに富山第一をかっちりはめ込んでいて、富山第一は優勢に試合を進めながらも今大会は非常に好調なGK近藤を始めとする星稜守備陣が粘り強く守り、エースの大塚にマンマークを付けて決定的な仕事をさせず、34分には富山第一のファールでPKをゲットすると、後半25分にはカウンターからヘディングを決めるという、堅守速攻チームのお手本のような試合運びを見せていた。

しかし86分にキャプテンの寺村を下げてしまった采配が裏目に出てしまった。そのわずか1分後に、前線に飛び出した村井のクロスから高浪が冷静に決めて1点差にすると、そこから完全にイケイケになった富山第一に対して星稜は防戦一方になってしまい、ロスタイムにPA内に突っ込んできたSB竹澤が倒されてPK。プレッシャーのかかるPKを大塚がきっちり決めて延長に。

延長は互いにスペースが出来てゴール前でのシーンが繰り返され、星稜にはバーを叩くロングシュートのシーンもあったが、やはり流れは富山第一に味方。今大会は不思議と何度も得点につながっているロングスローだが、決勝でもそのジンクスが発揮され、PK戦まであと1分という時間に村井が豪快なボレーを決めて富山第一が劇的な逆転劇で優勝を決めた。

いや~、ここまで劇的な結末が決勝で実現されるとは驚いた。内容も非常に白熱していてサッカーというスポーツの魅力や醍醐味が詰まっていて、Jと比べて、世界と比べてどうとかいう話を忘れて、改めて高校サッカーって良いもんだなあと思わされた試合だったね。星稜と富山第一の各選手、関係者に感謝したいと思う。