「ユースとしてのセレクション基準が見えたような」高校選手権 準々決勝 星稜-修徳

今大会の高校選手権については、この試合が初めてのフル観戦だったんだけど、Jユースのセレクションから漏れた選手が多く集まりつつある現状を反映するかのような、ユースカップとの内容差を興味深く感じた。

まずJユース選手との大きな違いは、強く正確なパスを軸がぶれずに蹴れるかどうかという部分。高校の選手は、長いパスになると遠心力をつけて足を大きく振って勢いを付けているので、フォロースルーで体勢が崩れてしまう。当然、長いパスの精度が落ちるのでどうしてもショートパス中心の組み立てになってしまう。

特に高校選手権の場合、試合が40分ハーフなので互いに組織的なプレスが落ちないため、大きなサイドチェンジ無しに狭い局面だけで勝負しようとしてもほとんどチャンスが作れない。

あとはファーストトラップの位置と方向性。さすがにベスト8に出る選手なので、ツータッチまででパスをしっかり出せる技術は持っているんだけど、次のプレイを予測してトラップが出来ていないので、どうしても足元足元のパスが多くなって展開のスピードに欠ける。これもチャンスをなかなか作り出せない要因になっている。

ミランに移籍が決まった本田の母校という事で改めて注目を集めている星稜だが、10番でエースの寺村君は、ターンのスピードやドリブルのキレは感じさせたが、怪我の影響があるのかもしれないがパスをもらうオフ・ザ・ボールの動きが鈍く、今のところ「本田二世」には程遠いかな。次の試合で真価を見てみたいものだ。