「ザックジャパンのお手本となるボルシアMG」ドイツ・ブンデスリーガ第16節 マインツ-ボルシアMG

ホームでありながらスコアレスドローと不完全燃焼な結果に終わってしまったマインツだったが、そこまでリーグ6連勝中で4位と快進撃を続けているボルシアMGが相手という事を考えればまずまず健闘したと言って良いのではないだろうか。

実際、マインツのチャンスらしいチャンスと言えば開始6分ぐらいに岡崎がオフサイドギリギリのタイミングで飛び出して枠を外れたシュートを放った場面ぐらいで、そこからはほとんど岡崎には良いボールが来ることがなく、後半からはミュラーをセンターにチュポ・モティングと岡崎が並列で並ぶ変則的な3トップと言うか0トップにして打開しようとしたが、やはり試合展開を動かすには至らなかった。

そのボルシアMGのサッカーは、とにかく攻撃になったらSBが上がった2-4-4のような形にサイドが押し上げ、プレスをかけると言うよりも前線と中盤の選手がどんどん相手のバイタルに入ってパスを受けてはシンプルにつなぎ、例えボールを奪われてもその形のままプレスをかけて奪い返すという、ザックジャパンと良く似た方向性のサッカーで、その完成度の高さは非常に見習うべきものがあるように思った。

少し違うところは、日本が頻繁にポジションチェンジを行うのに対し、ボルシアMGのほうは陣形を保ったまま守備のバランスを崩さずに攻守を切り替えている部分。従って、ボルシアMGのほうがやや守備寄りで日本のほうが攻撃寄りと言えるかもしれない。どちらが良い悪いではなくて、W杯本番では試合展開によって両方のスタイルを使い分けられるようになれば良いのではないか。

ただ、どちらにしてもラインを高く上げて戦う戦術がベースなので、岡崎のチャンスのように一瞬の隙を突かれて裏取りされるリスクからは逃れられそうにない。日本がベスト16に進めるかどうかは、本田や香川、吉田がどうかよりもGKの川島か西川が神がかってくれるかどうかが案外一番のポイントかもしれないね(笑)。